【AI怪談 三十三話目〈ドッキリ〉 弥太郎】

心臓の音が変化する。


まるで懐かしのヒップホップのよう。


心臓の音が又変化する。


今度はまるでロックのよう。


今日はなんて晴れやかな日なんだろう。


心が、心臓が高なる。


自分の耳に、鼓膜に直に届く。


鼓膜が張り裂けんばかりだ。


ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッド。


ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッド。


ドッキリキリキリキーリキリ。


今日はなんて素敵な日なんだろう。


踊る踊る心が踊る。


ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッド。


ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッド。


キリキリキリキリキーリキリ。


私の心臓がここまで踊る理由は、きっと死期が近いのね。


ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッド。


ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッド。


ギリギリギリギリギーリギリ。


行かなきゃ。


みんなに知らせなきゃ。


ドッドッドッ……ドッ……ドッ……ドッ……。


ごめん。


私のビートはこれで終わり。


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