三日目 リモート怪談中 その参

「はい、おつかれー!」


「ねえ、きーちゃん。今、誰の後ろにも、お化けいないよね?」


「…………」


「な、何で黙ってんのよぉー!」


「アハハ、冗談よ。心配ないって」


 あの電話の怪談みたいなのが続いてたら、正直俺も発狂して怪談会を中止してたかも知れない。

 けど、本当にあの怪談は何だったんだろう。

 思い返したら俺の一発目の怪談も怪談らしく無かったし、AIの作る怪談の基準がよく分からない。


「じゃあ、これで本日は解散。明日も午前零時から始めまーす」


 怪談会が終わり、俺はパソコンを切ってベッドに入る。

 何時もならベッドに入ると直ぐに夢の中に入るのだが、今日はなかなか寝付けず、仕方ないので耳にイヤホンを付けて音楽をかけた。

 なんか胸騒ぎがする。

 なんだろう……今日の怪談会のせいだろうか。

 急に今、一人で居る事が、とてつもなく怖くなった。

 こんな感覚は始めてだ。

 誰かに見つめられているとか、近くに得体のしれない物が潜んでいるとか、そんな感じじゃない。

 これから……これから、俺の知らない場所で……俺の知らない誰かが…………。

 俺は気持ち悪く成り、ベッドから飛び下りて洗面所まで走った。

 得体の知れない恐怖の為、その日は結局午前四時まで眠れなかった……。

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