【AI怪談 二十三話目〈口裂け女〉 里】
女は「口が裂けても絶対に喋らない。今見た事は墓場まで持って行く」と、心の中で誓った。
余りにもショックだったので、女はリビングの鏡の前で放心状態で立っていると、そこに女の伴侶がやってきた。
伴侶は慌てた様子で今何が有ったのか問い質した。
だが伴侶の問に女は答えなかった。
喋らないと誓ったから。
もし喋れば、今見た光景のように成る。
伴侶は黙り込む女の肩を掴み、揺さぶりながら執拗に問い詰める。
終いには女の頰を平手打ちにした。
それでも女は言わなかった。
業を煮やした伴侶は、今度は拳で女の顔を殴る。
何度も何度も顔の形が変わるまで。
女はそれでも喋らなかった。
やがて女の顔が裂け、口から血が滴り落ちる。
その血を見て、女は遂に重い口を開いた。
「どうしても……どうしても知りたいの?」
女はそう言いながら、目の前の鏡に映る自分を見つめて血の涙を流した。
そして突然、頭突きで鏡を割ると、割れた鏡の破片を持ち、こう言った。
「ねえ……わたし、きれい?」
結局女は、さっき鏡の中に見た光景どおり、伴侶を切り刻んだ。
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