【AI怪談 八話目〈無人駅〉 希梨々】

その駅は何故か特急しか停まりません。


そして特急も、その駅には一年に一回しか停まらないそうです。


勿論、時刻表にはその事は記載されていません。


故に乗客はその駅に停まっても、誰も気付かないらしいです。


何故その駅は存在するのでしょう。


識者に理由を聞くと、その駅に列車が停まると、必ず幽霊が乗ってきてしまうからだそうです。


元々その駅が有った場所には沢山の遺体が埋まっていて、掘り起こすことも禁止なのだとか。


勿論、その駅は無人で周りに人間は住んでいません。


魑魅魍魎しか住めぬ曰く付きの場所なのです。


だから一年に一回、特急しか停まらないのです。


なのに本日、間違って各駅列車が停まってしまいました。


勿論、沢山の人間じゃない物々が列車に乗り込みます。


列車内は阿鼻叫喚です。


そうなると列車は当然のごとく脱線し、粉々に破壊され、人間の方々は沢山亡くなられました。


御冥福をお祈り申し上げます。

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