【AI怪談 五話目〈魔物〉 陽斗】
夜の海には魔物が棲むと言われています。
男はそれを理解しているにも関わらず、夜の海に潜ります。
魚が眠っている時間を狙って銛付き漁を行う為です。
鯛、タコ、ウニ、ヒトデ、ヒラメ、キス、ウツボ、河豚……沢山の獲物が銛で突かれ、死体と成って舟に積まれていきます。
夜の海には魔物が棲むと言われますが、宝の山でも有るのです。
男はその日捕れた獲物を朝の市場に売りに行きました。
そして次の日も男は夜の海へと潜ります。
鯛、タコ、ウキ、ヒトデ、ヒラマサ、キュウリ、フジツボ、河馬……今日も沢山の獲物が銛で突かれ、死体の山と成って舟に積まれます。
次の日も男は夜の海に潜ります。
鯛、タカ、ウシ、ヒト、ヒラヤ、キミ、タンツボ、河童……今日も沢山の獲物が犠牲に成り、異臭を放ちながら舟に積まれます。
次の日も男は夜の海に潜ります。
ヒト、ヒト、ヒトデ、ヒト、ヒト、ヒト、ヒトデ、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト……今日も沢山、今日も大漁。
そして明日も、男は鋭く尖った銛で突きまくる為、海に潜るのでしょう……魔物が棲む海に……。
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