【AI怪談 三話目〈山奥〉 里】

あの山奥に有る、道はずれの寂れた一軒家には、老夫婦が住んでいました。


満月の夜、庭の番犬が大きく吠えます。


ずいぶんと賢い犬なので、今までそんなに大きく吠えた事はありません。


二人は夕飯を済ませ、いつものようにのんびりと過ごしていたばかりなので、何事かと不安に成りました。


お爺さんは気になり様子を見に行きます。


するとそこには見た事もない大きな黒い影が立っていました。


影はクネクネ動きながら段々とお爺さんの方に近づきます。


番犬はそれを見て果敢にも牙を剥き、飛びかかります。


ですが「キャウン」という声を一つ残した後、番犬は影の中にすっかり消えてしまいました。


やがて番犬の物であろう細かく千切れた無数の骨が、影の中から四方八方と飛び散り、まるで雨のように降り注ぎます。


パラパラパラ。


パラパラパラ。


これを見てお爺さんは慌てて家に戻り、お婆さんに一部始終を報告しようとしましたが、お婆さんは既に変わり果てた姿に成っていましたとさ。

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