第3話 お風呂場で……部屋で……玄関で……
(二人、階段を降りる)
(お風呂場のドアを開けて、中へ入る二人)
(ドアを閉める)
「ふふふ……どうしてキミも一緒にお風呂場に入ってるの? 足を洗うだけなのに……」
「へっ!? 僕が洗う? いいいい! そんなのいいよ! 自分で洗えるよっ?」
「ほら座って座って、って…………ほんとにいいの……? うそーー! ……ほんとに…………?」
「じゃあ……お言葉に甘えて、座らせていただきます……」
(女の子、お風呂の椅子に座る)
「んしょ……」
(主人公、シャワーを出し、女の子の足を水で流す)
「……ん~~……あったかい……お湯出してくれたの? ありがとう……」
「あっ! 流すだけで充分だよっ? そんなっ……石けん使ってくれなくても……」
(主人公、女の子の足を石けんで洗う)
「ひゃあ! あはははは! 待って! だめっ……ストップ……一回止まって~~!」
「はぁぁ~~……びっくりしたぁ……足を洗ってもらうのって、こんなにくすぐったいんだね……知らなかった…………」
「うん…………ふぅーー…………じゃあ、もう一回、お願いします……」
(主人公、女の子の足を洗う)
「んっ…………ふふふっ…………んぅ…………っ…………んあっ!!」
「あっ……だめっ……! そこっ……指の間はっ…………んぁっ…………あははっ…………ぁっ……待っ……待ってぇ……んふふ……も……だめっ……あはぁだめぇ……!!」
「はぁーー……はぁーー…………はぁ…………はぁぁ………………」
「もぉ…………キミってば……全然止まってくれないんだからっ……はぁ……はぁ……どうなるかと思っちゃった…………」
「指と指の間って……こんなにくすぐったいんだね…………足だからかなぁ…………?」
「……へっ!? まだ親指と人差し指の間しか洗ってない!? だ……だめだめ! だめだよっ! 指の間は禁止! もうだめだからねひゃぁっ!」
「あははは! あはははは! ねぇっ……だめって言ってるのにぃ……んぅ……あぁっ…………やぁ…………ふふふ……んふふふふ…………もっ……んぁっ……ねぇっ……んっ……勘弁してぇ……あはははは! あぁっ……無理……もぉ無理ぃ……ん~~っ…………」
(主人公、シャワーで女の子の足を流す)
「はぁぁーー……はぁぁーー…………もーー…………なんとか耐えたよぉ…………」
(シャワーが止まる)
「はぁ…………洗ってくれてありがとう……くすぐったかったけど、ちょっとだけ…………ほんのちょっとだけ……気持ちよかったよ…………えへへ…………」
「部屋に戻ったら、お返ししてあげるねっ」
「……ん? 何をするかって? んふふ~~……それは、着いてからのお楽しみだよ」
(二人、階段を上がって部屋の中へ)
「はい! じゃあ床に寝転んでね?」
「んふふ…………どうして驚いた顔してるの~? ほらほら……早く横になって……仰向けだよ?」
(主人公、床の上で仰向けになる)
「今から……さっきのお返しするねっ。まずはお腹を~……」
(女の子、主人公のお腹をくすぐる)
「こちょこちょこちょこちょ! こちょこちょこちょこちょ!」
「あはははは! だーめっ! まだ起き上がっちゃだめだよ……」
「こちょこちょこちょこちょ! んふふふふっ……うふふふふっ……」
「まだやめないよ~? だってぇ~……キミが足を洗ってくれてる時、私がだめって言ってもやめてくれなかったんだもーん」
「たーっぷり……お返ししてあげるからねっ……んふふっ……こちょこちょこちょこちょっ」
「次は……うつ伏せになってくれる?」
(主人公、床にうつ伏せになる)
「今度はくすぐらないから安心してね? くすぐった後は……気持ちよくしてあげるから……」
(女の子、主人公の背中を撫でる)
「こうやって……キミの背中を撫でて…………優しく……丁寧に……撫で撫でしていくよ…………さーーす……さーーす……なーーで……なーーで…………」
「んふふ……寝ちゃいそう? よかったぁ……気持ちいいってことだね…………」
「そのまま寝ちゃってもいいよ? 寝顔、写真に撮ってあげるねっ」
「……えっ? ほんとに寝ちゃいそうだから、交代? だーーめっ! 今は、私がキミを気持ちよくする時間だよ」
「……ちょっとだけ? ほんとにちょっとだけ? ……わかった……ありがとう……」
「背中さすってくれるの? えへへ……やったぁ……」
(床にうつ伏せになる女の子)
(主人公、女の子の背中をさする)
「ん~~…………あぁ~……………………気持ちいぃ………………うん……すっごく気持ちいいよ…………」
「はぁぁ……………キミの手、あったかくて…………安心感があって…………なんだか……キミの優しさに包み込まれてるみたい…………ほわぁ………………」
(女の子、上体を起こす)
「よいしょ…………ふぅーー…………ありがとう……すっごく気持ちよかった……」
「あっ……えっ!? もうこんな時間!? うそ…………! 時間経つの……早いね…………そろそろ……帰らなきゃはははは! あははははっ! そこっ……脇腹っ……あはははは!」
「もう! 脇腹くすぐるなんて………………えっち……………………」
「……んふふふ……顔……赤くなってるよっ……?」
「……んぇっ!? 私もっ……!? 顔……赤い? ……わっ……ほんとだ……顔熱いや……」
「キミも……顔、熱いかな……? 触っていい?」
(女の子、主人公の顔を触る)
「えいっ…………んふふ……キミの顔も……熱いね………………」
「ほっぺたさすさす……さすさす…………うふふ………………」
「ねぇ…………目、つむってくれる?」
「…………………」
(女の子、主人公の唇にキスする)
「…………はぁ…………えへへ…………さっき……私からキスするって言ったのに、結局できてなかったから…………今しちゃった…………」
「今日……キミと……何回、キスしたのかな……? …………いっぱい……しちゃったねっ………えへへ…………」
「うん……もう……帰らなくちゃ…………」
(女の子、立ち上がりカバン持つ)
(階段降りる二人)
「あ、そうだ…………靴を履く前に……一つしておきたいことがあるんだけど……いいかな?」
「…………今日……後ろから……ハグしてくれたけど……まだ、前からはハグしてないでしょ……?」
「だから…………今度は……キミと……前からハグしたい…………してほしいなぁ……って…………」
(主人公、女の子をハグする)
「ん………………はぁーー…………………………」
「うん……苦しくないよ………………もっと……強く……抱きしめてほしい……」
(強く抱きしめる)
「んっ……あっ……ううん……違う違う…………痛くも苦しくもないよ……。ただ…………その…………す……すごい密着してるから………………こ、こんな感じだとは思ってなかったから…………っ」
「ふふ…………うん……熱いね………………」
「二人の体温が合わさってるから……かな……?」
(ハグをやめる主人公)
「えっ……? もう……終しまい……?」
「まだ……ちょっとしかハグしてないよ……? どうしたの?」
「…………あっ……別にっ……大丈夫だよ…………! 当たっても……気にしないよ…………」
「それに……もう当たってたよ!? き、気付いてたよ…………」
「そういう風になるのって……その……自然なことなんだよね……?」
「じゃあ…………気にする必要ないよ…………」
「ふふ…………恥ずかしがってるキミ…………可愛い…………」
「ねぇ…………もう……今日は、抱きしめてくれないの……?」
「足りない…………全然足りないよ……っ」
「せっかく……キミと両想いってわかったのに…………私たち……もう……付き合ってるよね……?」
「もっと……キミに触れたいのっ……キミのぬくもりを感じた――」
(主人公、女の子を抱きしめる)
「っ……んっ………………ありがとう………………んんっ…………んふ………………」
「すごい……密着してるね………………なんだか……キミと、一つになってるみたい…………」
「はぁぁ…………幸せだね………………」
「知ってる? 好きな人とハグしたら……幸せホルモンが出るんだって……。私たち……今……世界で一番幸せかもだよ…………」
「宇宙で一番? んふふ…………そうだね…………」
「はぁぁ……気持ちいい………………ずーっと……このまま……キミとくっついてたい………………」
「ねぇ………明日は学校来る? もう元気だから、来るよね……?」
「キミがいないと……調子狂っちゃうよ…………すごく……寂しいから…………絶対来て……?」
「うん…………絶対だよ?」
「んっ? 明日……久しぶりの学校……頑張れるように……耳元で何かささやいてほしい?」
「久しぶりの学校って……二日休んだだけなのに? んふふ……もうっ……キミってば大げさなんだから……」
「んふふ……そんなに何かささやいてほしいの? …………わかった…………一回しか言わないから、ちゃーんと聞いてねっ?」
「…………キミなら大丈夫だよ……ずーっと、キミの味方だからねっ……だーい好き…………」(ささやき声)
終
放課後、キミの家でふたりきり ヤモリ @11rock
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