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諸事情により来週からは不定期更新となります。

好評頂いているのに申し訳ない、出来るだけ話を進められるようにがんばります!

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 翌日は朝食を食べた後、急いで鎧を着て馬車へと飛び乗る。

 先頭を準男爵領の馬車が行き、私達は後続としてついて行く。

 王都までの行程は5日を予定しており、何事もなければ毎日宿に泊まれる快適な旅になるようだ。

 7台もの馬車がいる大人数だと言うのに、魔物が平気で襲ってくる事には驚いたけど、盗賊は見かけなかった。戦争で負けていれば敗残兵や傭兵が暴れていたんだろうけど、報奨金も無事に出たし今は懐も暖かいのだろう。

 王都に近づけば街道もきちんと整備されていて、馬車の速度も上がり。天候にも恵まれて予定通りに到着することが出来た。途中で通った公爵領の領都を王都だと勘違いしたりもしていない。

 堀にかかった橋を渡り、分厚い石壁の間を通って辺りを見渡せば、曲がりくねった広い道が続き、石や木で作られた家々が所狭ところせましと立ち並んでいる。

 3階建てどころか5階建てを超える建物も点在てんざいし、建築技術の高さをうかがわせてくるけど、人口の多さを考えると土地が足りないのも理由としてありそうだ。

 余裕を持って馬車5、6台が並べそうな広さのある道に大量の屋台が並んでいて、すれ違うのも大変そうなほど人があふれている。

 流石に横断する者以外が馬車道に出てくる事は無いけど、この様子では事故も多そうだ。

 時刻はそろそろ夕暮れ時に差し掛かろうかという頃なので、最後のかきいれ時でもあるのだろう。宿の呼び込みの声が馬車の中まで届いて来る。

 そんな雑踏ざっとうの中を通り過ぎ、右に左に曲がりくねった大通りを進んだ先には内壁があり、平民街と貴族街をへだてる門へと辿り着いた。

 門番によって身元確認と積み荷の検査が行われ、私も辺境伯様から頂いた騎士爵を証明する書状を見せて門の内部へと通された。

 オーキンドラフ様とはここで別れ、私達は騎士爵の家が並ぶ外周から、少し内側に入った所にあるベガルーニ様のお屋敷へと入った。

 周囲の騎士爵家の建物よりも2周りは大きく、隣の準男爵家にも見劣りしない建物をキョロキョロと見比べていたら、ゲルターク様に注意されてしまった。


「余り見比べるのは無礼だから止めておけ。この家はお祖父様が指南役となった時に褒美として頂いた物なので爵位に見合わぬとあまり評判が良くないのだ。

 私もパーティに出れば身の程をわきまえぬやからだと散々に陰口を言われた。ユミルも気をつけろ、辺境の貴族と違って王都の貴族は意地が悪いぞ。」


「すみません、気をつけます。私も何か言われることになるのでしょうか?」


「田舎者、成り上がり、婚約相手を早々に見つけたことで尻軽しりがるくらいは言われるのではないか?まぁ実害はないし陰口など可愛いものだ。」


 そう言って不機嫌そうに鼻を鳴らし、玄関から入っていくゲルターク様に付いていき続きを聞く。


「その程度の陰口なら気にもなりませんが、実害が出る事があったのですか?」


「パーティで向こうからぶつかって来てワインをかけられた事がある。

 騎士のくせにこの程度で吹き飛ぶとは鍛え方が足りないのではないか?と言ったら顔を真赤にして去っていったし、キレイの魔法もあったから実害というほどの事では無かったがな。

 ああ、ユミルもやられたからといってその場で魔法を使うんじゃないぞ?一度、控室ひかえしつに行ってから使うのだ。会場で魔法を使ったら兵士に追い出されるから気をつけろ。」


「あ、助かります。知らなかったら間違いなくその場でキレイにしてましたね。」


 ここ数日、ずっと馬車に乗って話をしていたからか、昔の口調に戻りつつあるゲルターク様からパーティでの注意点なんかを聞きながら客間まで案内してもらい、鎧を脱いで街娘の服を着る。

 これもいずれは簡易ドレスを着ないといけないのだけれど、騎士服とかで誤魔化せないものだろうか?

 夕食のために食堂に行くと、塩で焼いた肉と塩野菜スープではなくきちんとした料理が出てきた!香草やスパイスも使われていて、宿で出た料理よりも美味しかった。

 どうやら塩のみ料理は村の中だけの料理だったらしい。マナーを教えてもらった時の料理も塩だけだったから、騎士爵でもそういうものなんだと思っていたよ。

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