023
今日は村の
魔法の先生でもある水晶玉の老人が、
子供達は丸焼きにされてるボアや鹿の周りに集まり、大人達は相手を見つけては
子供達が腹一杯になって眠くなれば、大人の時間が始まるらしい。私はいつもここで帰るので内容は知らないが、今日は
確かに婚約者はいないし、年下の魔力持ちの子はさらに下の魔力持ちの子と仲が良い。探せと言われても良さそうな相手もいないし、今はそんな事より戦争だ。面倒な事は父に任せておけば何とかなるだろう!
そんな日常を壊す様にある日の午後、早馬がやって来たことで皆の顔に影が差す。
早馬の兵士と共に屋敷へ入っていったビルザーク様と祖父が訓練場に戻って来ると、やはり
「今日の訓練は終了とし、明後日の朝出立する。連れて行く人員は明日の朝発表し、明日は食料などの積み込みを行うものとする。
未成年者の希望者はこの後伝えに来るように、
「はい!志願いたします!」
そう言って勢いよく手を上げ、戦争への同行を希望する。
「ユミルは連れて行くから安心せよ。あんな鎧、戦争以外のどこで使うつもりだ。」
「ありがとうございます!」
解散となり暗い顔をする者、手柄を立てると気負う者、様々な人達がいるが志願者はいない様だ。まぁ私の様な
もしかしたら走って帰った者の中には、親に許可を取りに行った者もいるかも知れないが。許す親など普通はいないだろうし、許可が必要な者など連れて行く事は無いだろう。
特に会話もなく祖父と共に家に帰り、母に報告する。
「そう…覚悟はしていたけど、お父さん達とはぐれない様にくれぐれも気をつけるのよ。はぐれたら見つけるのが大変なんだからね。」
まるで初めてのお使いに行く子供の様な心配をされ、
祖父から必要な物を聞いて、着替えと金、保存食。そして水袋も必ず持って行けと教えられた。
基本、食料は騎士爵様が出してくれるが、はぐれたり魔力が無くなる様な事態の時に、役に立つかも知れないからだそうだ。
後は自分の名前と出身を書いた板を入れておけば、遺品だけでも帰って来る可能性があるらしい。
姉妹達に抱きついてお別れを言い、今日だけはゾーラも素直に抱かせてくれた事が嬉しかったが、鎧を脱いでからしたら良かったと
夜遅くに帰って来た父にも知らせると、仕方無いとため息をつかれ、頭を撫でられた。背中を任せると言われてしまったので、突出しないように気をつけなければいけないね。
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リトルスカベンジャースライム
スカベンジャースライムは魔力を含む魔物の死体などを食べて進化したスライムの進化個体である。
食事後に肥料となる土や液体を残すことから、農村等で古くから
自然下では進化個体
リトルとはいえ進化個体のため、リトルスライムよりは一回り大きく、酸はより強力になっているため油断は出来ない。
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