第2章 戦争~
021
14歳になった頃、何やら
前回の
その争いでビルザーク様が騎士爵と領地を頂き。祖父もその隣で活躍したため従士長となり、私は辺境の平民としては割と良い生活をさせて貰っている訳だ。
そしてその国との国境線の近くにあるのが、私の住む村と
最初の衝突で負けなければ戦場になる事は無さそうな位置だけど、辺境伯様が出陣するなら兵を出さないと行けない。
普通なら成人した兵士と、訓練を受けた村人を連れて行くのだけど、私は鎧さえあれば
どうせ父や祖父、いつも一緒に訓練している兵士達と、ついでにタムルは行く事になるのだ。ウルフの群れ討伐の時の様に人数は多い方が良いに決まっている。
人を殺した事どころか、
社交シーズンに王都へ行くゲルターク様達について行けても、貴族を襲うバカなど
1体1よりも複数対複数の陣形の練習、騎乗の相手との戦い方など、訓練の内容が変更され、どんどん戦争が現実味を
麦の種植えの時期が過ぎ、夏野菜の収穫が終わり。戦争のタイミングが来るたびに、肩透かしを食らった兵達は
「これで足以外の残り全部だ。革細工師からも剣帯とマントも届いたし、これで完成だな。」
「ありがとうございます!」
胴鎧は他のパーツと調整が必要ということで、結局今まで足だけ金属鎧姿でやって来て、ようやくこの変な格好がやめられる。
順番にパーツを付けていくと、ベルトで
全て着終わってから動きを確認して、素振りをしてみるけど違和感は無い、完成するたびに調整はしていたけど完璧な仕事だ。
「そしてこれが
「
「詳しい話はお前の母に聞け。」
そう言って鍵を渡されて、私の頭に久しぶりに知識が湧いてくる。女性の騎士が戦場に行く時に
そういえば、腰のパーツに鍵穴があった気がする。本来はズボンの上ではなく直接付けるもので、場合によっては数ヶ月履きっぱなしになると知り、私は魔力を持っている事に感謝する。
キレイの魔法を
「これで戦争が始まっても付いて行けます、未成年で鎧も無しでは置いて行かれると思っていたんです。ありがとうございます。」
「戦争に参加させるために間に合わせた訳では無いがな。ユミルなら村に残って守ってても十分な戦力になるだろうに。」
「守る必要があるなら残るのもいいですけど、辺境伯領で止まるにせよ、王都まで攻め入るにせよ、こんな所にまで来ないでしょう?
来るとしても父達が負けて何ヶ月も後ならば、初戦に参加したほうがまだ村が生き残る可能性があると思います。」
「そりゃそうだ!こんな田舎にまで手を出している間に、王都で兵の再編が終わるだろうな!」
腹をかかえてゴードンさんが大笑いする。辺境伯領の隣ならまだしも、ここは男爵領と準男爵領を
「よく考えて決めたなら俺に言えることは無い。村のためにも国のためにも勝って帰って来い。」
「はい。」
しんみりとした空気になりゴードンさんが仕事に戻ったので、もう一度お礼を言って工房を出る。
英雄になどなるつもりはないが、祖父に背中を預けられるくらいの活躍はしてやろうと決意を新たに拳を握る。
家に戻るまでに知り合いの兵士達に囲まれて、「何者だ!」と
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