017
2ヶ月が経ち、森の奥の様子を見に行っていた
森の奥では縄張りを争ってウインドウルフ、ブラウンベア、ジャイアントボア、ジャイアントパイソンが四つ
ウインドウルフとブラウンベアは
お互いに決定打がなくて引き分けになるのもあり、かなり森が荒らされていたらしい。
そんな争いには参加せず、ウルフとボアが減った隙間にウサギや鹿などの動物が入り込み、新たな生態系が出来つつある様で、特に鹿は弓で狩りやすく肉は上手く、角は薬になるとかで狩人の
ウサギは昔からいたらしいけど、全部ボアに森の奥へ追い払われてウルフに食われていたのか以前の森では私は見たことがなかった。
戦闘の経験を増やすなら奥まで行かないといけなくなったけど、食料の入手としては楽になっているので、今のところ良い結果になっているという
13歳になる頃、魔法の授業で新しい魔法を教えてもらった。
今までは知っている魔法というか、私が勝手に練習していた魔法の延長線上の物ばかりだったので、難しくも無く精度を上げる訓練みたいなものだった。
一応火球を飛ばしたり、ベガルーニ様がウルフの死体を燃やした時の様な、火柱を上げる魔法も使えるようになっている。あそこまでの火力は出ないけどね。
そんな中での新しい魔法だ。闇魔法の応用で、自分の影の中に少量の荷物を
容量は10cmの箱から
魔力が無くなると中身をぶち
「お主ら二人にはあまり使い道が無いように思うかもしれんが、意外とそうでも無い。
中の温度は洞窟の様に涼しいので物が
中にはワインを
他にも色々良い所を教えてくれるが、3日に1回は訓練で魔力切れを起こしている私達には
騎士が脱いだ兜や手甲を邪魔だから入れておく、というのが一番刺さったくらいだ。せめて武器が入れば歩くのが楽になるんだけどなぁ。
「さて、それではやってみよう。自分の体に自分の体で影を作り、魔力を込めて影の中の部屋に手を入れようとするだけじゃ。簡単じゃろ?注意点は影を作る場所は自分の身体でないといけないことだ。」
言われた通りに左手で腰の当たりに影を作り、手を突っ込む。特に何の感触も無くするりと入った。そのまま魔力を多く流すと部屋が広がっていくのがなんとなく体感出来る。
「これって手を入れてる時に影が無くなったらどうなるんですか?」
私が質問をすると、横で同じ様に手を入れていたゲルターク様が勢い良く手を引っこ抜いてこちらを見てくる。
「いい質問じゃ、答えは手と掴んでいる物が入口を通り終わるまで消えない。じゃな。
突然手首から先が無くなるような事はないから安心しなさい。」
先生は笑いながら答えてくれたが、ゲルターク様には急に
「じゃあ全身を中に入れたら出てこれますか?」
「どうにかして全身が通れる影を用意して中に入っても、入口が
中に入って隠れられるのなら便利だと思ったのだが、恐ろしい事故に合いそうで使えなくなった。
「中に入ろうなど思ったことは無かったが、暗殺なんぞを
「犯罪者がその様な使い方をしていたら捕まえられんではないか。」
「そもそも息が続くのかも分からんし、危ないことはせんほうが良いぞ。」
「出来たら便利かと思ったんですが、出来ても広まったら危なそうなんで止めておきます。そこまで身体も柔らかくありませんし。」
先生に「それが良い。」と言われて練習に戻る。試してみると影が無くなると入口を通っている場所より太いとそれ以上入ることが出来なくなった。これでは影の中に隠れる事が出来たとしても、相当身体が
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