第6話 お付きの者
「ラーメンですか。イイですね」
小腹を満たす庶民の味方に、ほっこりとした表情のクニヤス。
「そう! ニンニク増し増しで~」
ノリノリのミツクニさん。
「あの、ミツクニさん?」
完全に、二人の世界になっているから聞いてみる。
「なんだね、妹ちゃん」
妹と、勘違いするミツクニさん。
「あっ、幼なじみなんですけど」
「それは、失敬した」
特に、意に返すことのないミツクニさん。
「いえ。あたっちも一緒に行ってイイですか?」
「あぁ、もちろん」
快く、同行をしてもよいと言うミツクニさん。
「よかった」
逆に、自信があるのか。
「それでは、行こう」
「「はい」」
と、部屋を出て履き物を履く寸前に、上から女性が降りて来て、ミツクニさんの前で片ヒザをついて座る。
「わっ! 誰?」
てか、いつからいたのさ。
「すずめ。みなが驚いておろうが」
説教をするミツクニさん。
仲間かな?
「申し訳ござりませぬ」
こっちを向きながら立ち上がり、ペコッと頭を下げる。
「あれ、すずめちゃんじゃない?」
どこかで、会った気がするあたっち。
「お久しぶりです」
どうやら、すずめちゃんも覚えてくれていたみたいね。
「ほら、クニヤス。覚えてない? 寺子屋で一緒に勉学を───」
1コ上の、お姉さん。
「あー、なんとなく。最近、行ってないから」
クニヤスは、ここのところ寺子屋は行っていない。
「引っ越しして、どうしてるかなと思ってたんだよ。なんで、天井裏から出て来たの?」
当時、理由を聞いても、答えてくれなかった。
「今は、ミツクニさまに仕えている身。ミツクニさま、通りはあぶのうございますゆえ、護衛として側を」
どうやら、この越後屋さんのところで働いているのかな。
「ならぬ」
首を、横に振るミツクニさん。
「しかし………」
「近くで護衛されると、迷惑千万」
「なんと!!」
衝撃を受けたすずめ。
「ミツクニさん、それは言いすぎです」
たまらず、クニヤスがつっこむ。
「おぉ、そうじゃった」
急に、笑顔をつくるミツクニさん。
「ミツクニさま、クニヤスさまの言う事には素直。普段は、がんこ爺なのに」
ボソッと、つぶやくすずめ。
「なにか言ったか?」
案外、地獄耳なミツクニさん。
「いえ、また陰ながら護衛いたします。では」
そう言うと、跳びはねて天井裏に入るすずめ。
「あれ、一緒にラーメン食べないの?」
そう、クニヤスが言うと、
「………たっ、食べたい」
その頃
「ハァハァ、もう1体」
グミちゃんが、たくさんのモンスターを召喚している。
「グミちゃんさま、すごいあやかしの数々でござりますな」
感心するア能衆のメンバー。
「これだけモンスターがいれば、ビックリするだろう!」
目が、バッキバキのグミちゃん。
「グルルル」
今にも、口から火が出そうなモンスターもいる。
「ははぁ~」
ひれ伏すメンバー。
「ちょっと、やってらんないわ」
召喚された小人。
名は、めみ。
「こんな連中となんて、まっぴらごめんよ………」
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