『永遠の、命。天の意思』

やましん(テンパー)

『永遠の、命。天の意思』


 『天は二物を与えず』というのは、多くの場合、本当ではない。


 天は、二物も三物も、それどころか、四物も五物も、特定の人に気前よく与えてしまうものである。


 ゲーテさまをみるがよい。


 メンデルスゾーンさまや、サン=サーンスさま、伝わるところでは、聖徳太子さまもそうである。(聖徳太子さまは、実在性に疑義もあるが。)


 ただし、モーツアルトさまあたりは、二物がなかった部類かもしれない。


 マリアン・パピルズは、万能の天才だった。


 彼は、ピアノ、ヴァイオリン、フルート、作曲、作詞には飛び抜けた才能があり、多彩な活躍をしていたし、さらに文学、語学、数学、医学、物理学、生物学には天才との評価があり、化学、天文学に精通し、スポーツ万能で、とくに宇宙テニスはプロの国際的上位者と対等だった。登山家でもあり、火星のオリンポス山に人類で初めて完全登頂した。


 しかし、天は、しばしば、そうした人の命を、早々と断ち切るものでもある。


 メンデルスゾーンさまも、モーツアルトさまも、若くして、なくなった。


 しかし、ゲーテさまや、サン=サーンスさま、シベリウスさまなどは、長生きもした。


 ま。様々ではある。すべて、結果論でしかない。


 あるひ、36歳のパピルズは、火星で飛行機に乗っていた。


 それが、整備不良で、落ちたのである。


 落ちきる寸前に、天が、語りかけてきた。


 『ああ、パピルズくん。すまないな。君にはたくさんの才能を預けすぎたんだ。さぞや、負担だったろうな。ときに、君は、これで終わるが、しかし、あまりにもったいない。そこで、提案だが、このさき、落ちてしまうまでの瞬間を、最大限伸ばすことはできる。もちろん、周囲から見た光景は変わらないが、君の心理的な時間は、あと、60年は、伸ばせる。ただし、飛行機の中だけだがな。作曲も、文学の創作もできるぞ。その作品は、責任をもって、世に伝えよう。決めるのは君だ。瞬間で終わりにするか、君の時間だけを伸ばすか。どちらでも、好きにしたまえ。さあ、どうする。』


 パピルズは、伸ばすことを希望したのである。


    🙌🙌🙌


 後世は、いったい、パピルズは、いつ、これだけの作品を書いたのか、理解しかねたが、ますます、その、天才としての評価は、高まったのである。



     

  😤😤😤😤😤😤😤



       おわり



  🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇








     🤤













   

       

 


 


 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『永遠の、命。天の意思』 やましん(テンパー) @yamashin-2

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る