第2話 ガキはここに来るとこじゃない

学校が終わり家へ帰る。

所詮私も貧乏学生。ボロアパートへ帰る。

依頼がないかPCを起動し家に来客がないかチェックする。人では認識することができないよう鉢植えに防犯カメラを備え付けPCと24時間接続してある。この家に辿り着いたものこそ

依頼を受ける権利があるということだからだ。

後は探すに探してこちらから出向くだけの作業。学校をサボり依頼のために家にいる事も暫しある。


「はぁ。」


深い溜め息を私はついた

u◯erや出○館で注文したわけでも

Am○zonで何か頼んだわけでもない

イタズラか依頼の可能性の2択

PCにはガキが映っていた


「出てきてよ。あなたに依頼したいんだお姉さん」

「ガキが面白半分で来るとこじゃない。帰れ」


私はイタズラと思い突っぱねた。


「成功したらお姉さんの大好きなお金上げるのに勿体ないと思うなー」


金が絡めば私も聞く耳を持つが

出処不明の金は受け取らない主義だ。

どこから嗅ぎつけたのか少しでも探るため

私はドアを開け中に入れた


「内容は?」

「ん?」

「だから内容は?」

「人にものを尋ねるときの7つの文字をお姉さんは知らないのかな?」


このガキムカつくわ。絶対シバく


「お願いします!!内容を教えてください」

「内容はねぇ。お父さんとお姉ちゃんを殺すこと」

「やっぱ帰れ。遊びじゃないんだ」

「成功報酬5千万円だよ?」


私が上乗せでのるとでも思うか?舐めすぎてる。


「ガキにそんな大金用意でわけない。冷やかしなら帰れ」


私もガキに遊び道具にされる日が来るなんて世も末

さっさと追い出して寝よう


「冷やかしかどうか周りを見てよ。お姉さんはこの仕事を引き受けるしかないよ。」


窓からはアパートを囲むように黒い車で囲まれた


「私が脅しに屈するタイプだと思う?」

「これは受けるしかないと思うけど?Die ultimative schopfungswaffe von Herron Thanatos」(タナトス型の最終兵器さん)


久しぶりに耳にしたドイツ語を目の前のガキが話した。嘗て私を実験台にしてくれた研究所の名前を出した事で私の脳は危険信号を灯した。


「Woher kennel Sie mich?」(どこで知った)

「Geld Valkyley」(金の力だよ。ワルキューレ)


こいつはただのガキじゃない。さて、どうするかと言えば殺すしかないが、今のままでは武が悪い。

今は殺す事ができないし逃げる事に専念をする

リビングの窓を開けて強行突破するかトイレの窓から出るかどっちを使うにしても裏のバイクまで行きたいがリビングから出ようものなら身体が蜂の巣になるだけなのでこれはなし。トイレから出ることにしよう


「金でものを言わせればなんでもはいと言うほど世の中はね君のようなガキ中心で回っているわけじゃない。それに私は出処不明の金は受け取らない主義だ。」 


すくっと私は立ち上がった


「どこへ行くの?」

「女の子が席をたってどこに行くかなんて聞く方が失礼だからやめな。

トイレだ。私にも行きたくなる時はある。」


たまたま制服に財布と鍵、それからスマホをポケットに入れたままなのが幸運だった。

体が細く柔らかい私の勝ち。トイレの窓から裏に止めてるバイクまで行く。

やむを得ずこの家は捨てる。過去に囚われるほど私は腐ってはいない。


バイクを動かしエンジン音がなる。銃を発砲するがどうにかこうにか避け運転をする。リビングから


「Ich werde dich kriegen, das schwöre ich bei Gott.

Denk dran, Walküre.」(お姉さんは僕のものだから。忘れるな)


私は中指を立てて返事をした。

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2024年9月26日 12:00
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2024年10月10日 12:00

その天使 悪魔の使いか堕天使か 東雲アリス @sb030406

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