第7話 調査

「それで?どんな話をしてたのかしら?」と、余裕綽々な笑みを浮かべながらも、心は全く笑っていないのが分かる。


「いや...どんな話と言われましても...普通に...普通の話と言いますか...」


 とんでもない告白を受けたことはもちろん言えるわけがない。


「ふーん?顔にはそう書いてないけど。まぁ、いいわ」


 学校終わりにまたしても校門前で待機して、そのまま一人暮らしをしているお家に連れて行かれたのだが...。


 女子の一人暮らしということもあったか、かなり厳重かつ新し目で立派なマンションに住んでいた。


 てか、実家がお金持ちだったりするんかな?と、部屋をジロジロと見渡す。


「下着を探しているところ悪いけれど、目のつくところには置いてないわよ」と言ってる格好がかなり過激なのだが...。


 キャミソール姿にかわいいポニーテール的な髪型は個人的にかなり刺さるのであった。


「さ、探してないですよ...」


「ふふっ。大志くんはいじり甲斐があるわね」


「そ、そうですかね...?」


「そういえば今日も一人で校門から出てきたわけだけど、もしかして大志くんはぼっちだったりするの?」


「...いや、そ、そうですね...。友達とかはあんまりいないです」


「あんまり...ね?」と、また不適な笑みを浮かべる。


 どうやら生粋のドSらしい。

まぁ、かくいう俺も生粋のMなのだが。


 そういう意味では相性抜群なのかもしれない...。


「それで...今日は何するんですか?」


「そうね...。まだ、私たちってお互いのことをあまり知らないじゃない?てことで、お互いのことを知ろうの会でも開こうかなと」


「...ほう?」


 すると、小さなホワイトボードを二つ持ってくる。


「てことで、好きな人に関する内容について色々項目を書いたから、自分の文を書きつつ、相手の文を当たるというゲームをやりましょう。まぁ、もちろん無制限で当たるのは不可能なものもあると思うから、基本は4択で出すってことで」


 そう言われて、お題が5つ発表される。


①自分のフェチ

②性癖

③好きなタイプ

④付き合ったらしたいこと

⑤付き合ったらしてあげたいこと


 なんか...合コンの後半みたいなノリなんだが...。


「さぁ、お書きください」


 そう言われて、仕方なくペンを走らせる。


①自分のフェチについて...か。

あんまりフェチとかないけど、強いて言うなら...首かな?


②性癖...。

あんまりわかんないけど...メイド服とか?そういうのって癖って言っていいのかな?


③好きなタイプ

出来れば引っ張ってくれる子というか、自己主張してくれる子がいいかな。それでいて、優しい子ならなお、グッド。


④付き合ったらしたいこと

...デート?とか?したことないし、普通に買い物行ったりとか、どっか出かけたりとか。


⑤付き合ったらしてあげたいこと

してあげたい...。難しいけど、出来れば笑顔にさせてあげたいかな。ずっと笑っていられるような関係がいいかな。


 と、大体書き終えたところで、鈴野さんもペンを置く。


「それじゃあ、先に罰ゲームを決めておきましょう。勝った場合は負けた方に過激ではない命令を下すことができる...でどうかしら?」


 過激じゃない...のは嬉しいな。


「...はい、それでお願いします」


「じゃあ、ゲームスタート。まずは私から。私のフェチはどれでしょう?①足②腕③首④手」


 なるほど...よくあるのは③か④かな?

でも、なんか首っぽいから首にしよう。


「...③で」


「...ブッブー。正解は④の手でしたー。細くてかわいい手が好きだよ」


「...なるほど。じゃあ、俺のフェチは何でしょう?①首「①の首」と、秒で答えられる。


「...正解」


「ふふっ、余裕だわ。だって、よく私の首見てるものね」


「...//」(バレていた)


 こうして、クイズは順調に進んでいったのだが、3問目にして3-0となってしまいゲームはコールドとなってしまった。


 ちなみに性癖は声らしく、好きなタイプはMっぽい男の子らしい。


「...負けました」


「全く、弱いわね」


「...それで命令は?」


「そうね...命令...。じゃあ、足でも舐めてもらおうかしら」と、足をこちらに差し出す。


 いつもは大人っぽいのだが、髪型も相まってメスガキ感が堪らない...。



【挿絵】

https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093085086390082


 わからされたい...と、思う俺であった。


 足は...少しだけ舐めた。

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