第4話 濃い出合い






濃いエメラルドの瞳、少し濃い小麦色の肌

腰までありそうな薄グレイの長髪、中性的な顔立ちに色香を感じる。


寝湯にのぼせたのか、頭がボーとする。


太三郎の手は冷たく気持ち良い。”なんだか安心する”



「友人はこんなんせぇへんよ?」


耳元で囁かれる声にピクっと反応し、熱を帯びた敏感を、もどかしさを、楽しんでいるようだ。”さっき中途半端だったからか?”「ン…ぅ」変化に感情が追いつかない。

「初めてなん?かわぇぇな」余裕のある声に抵抗できず目を瞑る。


ー…ッ



快楽と気だるさと恥ずかしさとショックが入り混じり涙に変わる。






「ククッ友人とこんなんせぇへんよな?恋人役よろしゅう」

自分の事を見透かされていて、全てが相手のペースで…。込み上がる怒りに任せる


「ふざけんな!こんなのノーカンだ!!ノーカン!!恋人ってのは、お互いの同意が前提!一方的で何が恋人だ友人だお前がした事は犯罪だ」生まれて初めて怒鳴った。


「気持ちよさそうにしてたやんか?」と平然と応える太三郎。


”確かに…”


一瞬さっきの感覚が蘇り納得しかけたが「そんな訳ないだろ!!」と一蹴する。


「ふーん、」と指をさす。

”ん???指先に目線を落とす。静まったはずだったが再び熱を帯び始めている。

「…なんで?」と顔をあげるとニコッと笑った太三郎の手が伸びる。


「オぃ、やめッー…っ‼︎‼︎ 」


ガタッタン!!!!”と大きな物音に全ての動きが止まる。

太三郎の余裕の表情が冷たくかわる。


「時間ないから早よ着替え!」と浴室を出てゆく。

「服は脱衣所にあるから」と言われた服は”作務衣の様なシンプルな白服”

「俺の服はー…」と言いかけて”帰れたらいい”そう思い従うことにした。








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