第2話 夜中歩いてた

9月後半、昼は夏が香り、夜は秋が香る。

夏の夜風が秋を連れている。虫の声に涼しささえ感じてしまう。

いつもの半袖に短パンでいつものコンビニへ

何も変わりが無い繰り返しの生活感に唯一時間の経過を感じる。


……って、センチメンタルにもなりやすい季節だよな




さてコンビニは

角を右へ曲がり真っ直ぐ徒歩3分程だ。


角を右へ曲がってー


真っ直ぐ歩けばー





…家から徒歩3分くらい走れば1分








…あれ??






……??


街灯ない…あれ?





あれ??道間違えた?いつも通り右へ曲がった。




”下を向いてたから間違えたか?”


路地へ迷ってしまったんだと気付き、振り返るが道に違和感がある。

振り返った道は見たこともない。どこをどう来たのか?歩いたのか?わからなくなってしまった。

「真っ直ぐ来たよな??」泣きそうだ、いや泣いてる。怖い。


止まっていても仕方ないと言い聞かせながら歩いている。


……ー暗いし何か寒くなってきた。

熱帯夜に降る雨のように全身に纏わり付く不快感が余計に恐怖を煽る。


もう、かなり…歩いてるのに変わらない。泣く余裕すら無くなってゆく。


「なんでぇぇ…電源も電波もあるのに画面が動かないぃ」画面の光に安心と不安を同時に感じる。










「おい!お前誰や?」

「ヒっ!?」不意な声に全身の怪我逆立ち手先がビリビリするほど飛び上がった。


ゆっくり振り返る。


「なんで泣いてんの?何があったん?」と相手も驚いていた。

「あなたに驚いたんです!ここはどこですか?」

「どこってえぇ。ンマか?」

「ぁ、はいどっ「変なん拾たーやー」と嘆いている。

「道教ぇ「なんでここおるん?ここやないで?」いやあの聞いてください‼︎」


「ぁあ、ごめん」


朔は深呼吸をして冷静に状況を説明する。

相手もふんふんと小気味よい相槌で話を聞いてくれている。


「なぁるほどな!!希望者ではなく迷子か!」

「そうです帰りたいんです」

「そぉか!なら一つだけ頼みを聞いてくれたら願いがなえたるよ」


”希望者”という言葉に疑問に感じたが帰りたい一心で返事をする。

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