発芽

この世界で生きていると人と合わせようとしてしまう。

今日は新しい家具を買うためたくさん歩いた二人が、疲れてソファーで休んでいるとアイムが寝てしまった。そんなアイムのことを見てエミカが

「ごめんね」そう呟いた。エミカはアイムのことを親友として好きになれない。

どうしても芽生えてはいけない気持ちが芽生えてしまう。行けないってわかってる。でもしまうと段々大きくなって入り切らなくなる。入り切らなくなった気持ちは爆発してしまう。

「アイム、あいして…」エミカの口に柔らかいものが触れるのと同時に力が抜けた。

「だめだよ。エミカ?」

「ごめん…。気持ち悪いよね。同性愛なんて。」

「ううん。そうじゃないよ。」アイムの目から涙がこぼれ落ちた。

「言葉にしたら…消えないよ。なのに私の知らないのが初めてなんて嫌だよ。エミカの気持ちに気づけなくてごめん。でもね、その気持ちはエミカだけじゃないんだよ。」

「え…」

「私はあなたが好き」

「う、嘘…」

「ほんとだよ。そんなに聞くならもう一回口塞ぐよ!」

「やだ〜」

二人だけの世界を楽しんだ。この美しい世界で幸せを感じながら二人で夢の世界へと…。

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