イエローさんのオリジナル小説

@miraie8686

イエローさんの物語 第1話

 雲が空にぽつん、ぽつんと、まばらに浮き、その上から満月が見える。 お月さんは今日、何やら心配そうにその光で広い平原を強く照らしまし、にんじん畑が輝きました。


 月の光に誘われたのでしょうか、白いうさぎが1匹入ってきました。白いうさぎは自分の白い体よりもでかいにんじん、1本にかじり付き、にんじんの硬い皮を頑丈なその歯で、がむしゃらに食べ続けます。


 食べ続けるうさぎの後ろから、何やら物音が聞こえてきます。畑近くの家の扉が開き、大きなカマを持った少年と少女が畑に見にきました。うさぎはにんじんをかじりついて食べるのに夢中で後ろの少年と少女に気がつきません。


 少年と少女は、畑にいる1匹のうさぎを見つけて、少年がそのカマでうさぎを狩りにいきます。すると、悪い気配を感じたうさぎは振り下ろされる巨大なカマを避けて、畑の外に逃げ出しました。


 うさぎは、逃げます、生きるために、追いかけてくる少年と少女から、ただひたすら鳥の声がともに聞こえてくる、森へと逃げました。 


 必死に逃げたうさぎは森に入り、跳んできたその足が疲れてしまって身体を巨木の根本に休ませます。 白いうさぎの身体は、先程振り下ろされたカマから飛び出た土がかぶり、身体全体が汚れてしまって、その心にわずかに生きる希望を持った気持ちとともに、ボロボロです。


 うさぎの赤い目は、鳥たちの鳴き声がうっすら聞こえてくる。 その森にカマを持った少年と少女が入ってきます。 大事に育てたにんじんが荒らされた恨みなのでしょう、うさぎの足跡と食べたにんじんとうさぎの匂いを辿って、とうとう白いうさぎの近くまで来てしまいます。


 植物を刈り取るカマの音に、うさぎは思わず姿を現してしまいました。少年は目の前に横切るうさぎを左腕で力強く、握りしめました。


 少年は、捕まえたうさぎを少女に見せて、2人は少し話して、少年はうさぎの首を掴んで、カマを構えつ少女の前に突き出します。カマを構えた少女はボロボロになったうさぎめがけて、振り下ろそうとしました。


 その最中、鳥たちの鳴きが聞こえてきました。 その声はだんだん少年と少女に近づいてきます。その声を聞いた少女は、振り下ろすカマの持つ手が少し震えて振り下ろして、うさぎに当たりませんでした。

 うさぎを持つ少年と、だんだん近づいてくる鳥の鳴き声に怯える少女は、うさぎを持って森から抜け出しに走りだしました。 鳥の声が1つ大きく聞こえたかと思うと、少年と少女の前に、少年と少女よりはるかにでかい鳥が道を阻みました。

 道をたち塞がれ、少年はすぐにカマを持って黒い身体をまとう怪鳥に襲いかかります。刺さりませんでした。カマよりも硬い身体のようです。 怯える少女は怪鳥の周りを通って逃げ出します。そこに怪鳥の硬い身体から、小さな鳥たちが少女めがけて襲いかかります。 少女は全身を噛まれて、鳥の群は飛んで空中に飛んで、少女は気を失ってしまいました。 少女を奪われた少年は怪鳥を前に足が震えて、うさぎを持つ手を離してしまい、命乞いをしました。 怪鳥は少年に向かって大きく声を放ち、カマを吹き飛ばしました。

 うさぎはボロボロになったその身体を振り絞って、幸か不幸か、怪鳥から助け出されたのか、少年と少女から逃げました。


 月が沈み、朝になりました。少年と少女は家のベッドで寝ていました。

窓から朝日が差し込み、少年と少女は起きました。夢だったのか頭がモヤモヤする中、お母さんのいるテーブルに座って、お母さんは鍋に入ったスープをさらに注いで、少年と少女の暗い視界にトマトたっぷりのミネストローネスープが、目の前に入り込みます。 少年はスプーンを持って、口に入れて、目からおもいっきりの涙を流しました。 少女も少年の涙をもらってしまい、2人で泣き合いながらスープを平らげました。 どうやら、あの日の夜、お母さんが少年と少女が捕まっている怪鳥たちの巣に入って、怪鳥たちを石をぶつけて気絶させて、2人を助け出したようです。 そんなことも知らない少年と少女は昨日あったことをたくさん言って、その中で白いうさぎの話もします。 お母さんはそのうさぎに聞き覚えがあったそうで、あのうさぎが近くにいると、どんな悪いことが起きてもそこから救われるそうです。 お母さんは白いうさぎを想って窓から見える朝日の太陽を見上げて、感謝し、少年と少女を、叱りました。 おしまい

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