地獄の監獄

私は、刑務所での生活に慣れていた。日々のルーチンに従い、無感情に過ごす毎日。周囲にはいろいろな人がいたが、私の世界は狭く、目の前のことだけに集中していた。ところがある日、私の平穏な日常が一変する出来事が起こった。


その日は、私たちの房の向かいの房で、突然何かが起きた。向かいの房にいる一人の囚人が、看守に引きずられてきた。その囚人は、身体が震えており、顔色が悪かった。何が起こるのかを見守る中、看守は彼に謎の注射を打った。注射器が抜かれると、囚人は一瞬で激しく反応し、体が不自然にねじれ始めた。


囚人の身体が膨れ上がり、皮膚が黒く変色していく。見ている私たちは、恐怖と困惑で固まった。囚人は声を上げるどころか、ただただ暴れ狂い、房の中で物を壊し続けた。注射の効果は驚異的で、彼はもはや人間の姿を留めていなかった。凶暴な化け物と化してしまったのだ。


その瞬間、刑務所内は地獄と化した。囚人たちは悲鳴を上げ、逃げ惑い、警報が鳴り響く中で、化け物は房の中を破壊しながら暴れ回った。私は恐怖に震えながらも、冷静になろうとした。これでは死を待つしかない。どうにか生き延びる方法を考えなければならなかった。


私は一つの決断を下した。脱獄だ。化け物から逃れるためには、ここから脱出するしかなかった。周囲を見渡しながら、鉄格子に近づき、普段の作業で使う道具を巧みに利用して、鉄格子をこじ開けようとした。


脱獄の準備が整った瞬間、化け物が私の房の前に現れた。もう一度、恐怖で凍りつく。化け物は私の房の鉄格子を握りしめ、そのまま引き裂こうとしていた。まるで動物のように、その力強さと凶暴さを見せつけていた。


私は必死に鉄格子を開ける作業を続けながら、心の中で祈った。全ての希望をこの脱獄にかけていた。化け物が私の房の鉄格子に噛みつき、引き裂こうとする音が響く中、ついに鉄格子が外れた。


私は暗い通路を駆け抜け、脱出するために全力を尽くした。背後で化け物の咆哮が響き、恐怖で心臓が爆発しそうだったが、出口が見えてきた。通路の最後には自由への道が開けていた。私はそのまま出口に飛び込み、刑務所を後にした。


しかし、外の世界に出た時、私はただの脱獄犯となったわけではなかった。刑務所での出来事は、私の心に深い傷を残した。地獄のような経験から逃れたはずの私が、新たな恐怖に直面することになるとは、その時はまだ知らなかった。


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