第6話会社4

僕は必死だった。仕事を覚える事を。

だが、新人。失敗もあった。周りの先輩からは、「とっとと、田舎へ帰れ!」と、よく言われていた。ヘルメットで殴られた事もしばしば。馬鹿な先輩たちは、何かがあれば殴り、「だから、お前は嫌われるんだ!」と、言っていた。

入社6年で精神病になった。

不規則な睡眠と生活、そしてイジメが原因で。しかし、会社は、僕が酒の飲み過ぎで病気になったとデマを流した。

あたかも、自分らの責任を転嫁するように。

最後の時がやって来た。

最終出勤日に、挨拶した。

周りの先輩は、僕を無視した。誰も、お疲れ様とは言わなかった。

腐れ会社が!


最後に係長になった、暴力先輩に「お世話になりました」と言って挨拶すると、

「何がお世話になりましただ。お前にはホントに……」


ドカッ!


僕はデスクを蹴った。最後なんだから、コイツ小心者ぶりを見たかったから蹴ったのだ。

最後くらい、良く言えないのか?

査定は1回も付けなかった馬鹿が。

デスクを蹴ったら、先輩は黙り込んだ。


ここの6年間で、僕は一生を無駄にした。治らない統合失調症を発症させてしまった会社を許さない。

だが、最後の日、会社のビルにお辞儀して去った。

いつもの店で、ビールを飲んだ。

最悪な会社だった。今はすぐにハラスメントで訴える事が出来るが20年前はそれが横行していた。

それから、精神障がい者として生きて行くことになる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る