第5話会社3

うちの課には、お局様がいた。

課長の女だったから、威張っていた。口癖は、「私に逆らうと、給料減るわよ」だった。

実際はソイツと仲が悪かったので、随分ひどい目にあった。

ある月、月の半分夜勤をした。

今月の給料は30万円を超えたと計算していたら、振り込み金額は19万円だった。

あのババアやりやがった。

残業130時間以上したのに、80時間分の残業代しか無かった。

それは、労働基準監督署に目を付けられるから80時間となっているのは知っているが、19万円はあり得ない。

しかも、80時間分まで付けていない。残業時間も69時間くらいの計算になった。

基本給が17万円で色んな手当てが付き、差し引くと19万円はおかしい。


ある日の夜勤帰りに事務所でお局様がパソコンを切らずにスリープ状態だっから、給与計算を見たら、僕は既に80時間を超えていたが、何故か63時間しか残業は付いておらず、お局様自身は76時間残業したことになっていた。

8時から17時で帰宅する人間が、76時間も残業代を付けていた。

だから、「私に逆らうと給料減るわよ」だったんだ。


しかも、ソイツ会社近くに住んでいるのに、実家から通っているように、虚偽の申告をして通勤費も横領していた。

今思えば、これを写メして総務課に持って行けば良かった。

昔はそこまで考えていない20代だったから。

また、夜遅くに帰って来た時に、珍しくお局様残業していた。

疲れて現場から帰って来たのに、顔を見るなり、「たこ焼き買って来て!」

と、言われた。自分で行けば良いのに。

たこ焼きを買って、レンジ温めたらビニールが溶けたが、知るもんか!


こんな、横領する女は初めて見たので驚くそれだけ。ナマズのような顔をしていたが。

仲間とソイツの事、ナマズ、ナマズと呼んでいた。

課長と不倫していたし。

たちが悪い。こう言うヤツ。でも、ピンハネされた時は悲しかったな。こんなに働いているのに、こっちは非力。

この会社の闇は、まだまだある。

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