第8話 「願い」

「は、?何を言ってるんですか?見ず知らずの人に急に言われても困ります!」

分かってないな。邪魔なんだよ。お前。桃果ちゃんに近づくな。

「だからこれは命令じゃなくてお願いだよ。無愛想に接してくれればそれでいいんだよ。してくれるよね?新君?」

古河は意味が分からないという目で俺を見ていた。

「意味が分かりませんよ!出来る訳┈┈┈」

俺はそれを遮り、冷たい声音と目でこう言い放った。

「┈古守蓮花と新君に危害は加えたくないんだよ。この意味、分かるよね?強引にでも桃果ちゃんを連れて行ってもいいんだよ?」

古河は絶望した顔で俺を睨み、そして。

「分かりました、ですが水無には危害は加えないでくださいね、では」

と言って走り去ってしまった。これで第1段階は終わったな。次はそうだな、家に行ってみよう。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「桃果ちゃん!駄目よ!まだ貴女は高校2年生なのよ?!」

「もう放っといてよ!私は1人で暮らしたいの!もうお家も借りたから!」

キャリーケースを持っている桃果ちゃんと親戚であろう人がが口論をしている。一人暮らしをするのか、偉いな。

「桃果ちゃん、危ないわよ!もし何かあったらっ!」

「もう嫌なの!何もかも!苦くて苦くて堪らないの!1人にさせてよっ!」

「桃果ちゃんっ!辞めて!危ないわ!」

「もう知らない!嫌い!」

そう言って走り去ってしまった、追いかけなくては。ん?何か落ちている、飴?そうか、甘いのが好きなんだね。もう何もかも嫌なのか、なら、俺が何かする必要ないな。俺は追いかけるのを辞めた。桃果ちゃん、待ってるからね。いつでも来ていいんだよ。俺の所へ、桃果ちゃんの居場所はここなんだから。

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