第7話 「苦いあの子」

誰も居ないアパート、嫌、俺が居なくならせたんだ。管理人も隣人も全員失踪中だからな。嫌、失踪させたっていうのが正しいな。今頃、どうなってるんだか。そういえば最近気になる女の子がいる。青いストレートロングヘアに虚ろな蜂蜜色の瞳。綺麗で白い肌。家は分かっている、親戚に預けられているようだ。名前は確か、水無桃果ちゃんだったかな?苦いあの子、手に入れたい。俺の甘さに溺れさせたい。俺に溺れれば、あの子はきっと輝く。もっともっと可愛くなる、そう確信したんだ。まずあの子をどうやって手に入れるか、そこが問題だ。さて、まずはクラスメイトと桃果ちゃんの事を調べるか。

調べた所、桃果ちゃんは帰宅部のようだ。あと気になったのが、古河新。古守蓮花。この2人だ。桃果ちゃんと一番親しいのはこの2人らしい。そうか、こいつらを利用すればいいんだな。さて、どうやって利用しようか。1つだけ思いついた事がある、桃果ちゃんが何もかも嫌になるように仕向けよう。勿論、此奴らにも協力してもらうがな。さぁ、始めようか。

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桃果ちゃんの学校の前だ、古河は居るか?

俺が探していると、視界に、天使が映る。桃果ちゃんだ。美しい、早く手に入れたい。だが今は古河だ。見つけた、こっちに来る。桃果ちゃんはもう居なくなっている。よし、今だな。

「古河新君、かな?話したい事があるんだけど、良いかな?」

「は、?急になんなんですか?貴方!」

そう喚く此奴を強引に人気の無い路地へ連れ出した。此処なら大丈夫か。

「貴方誰なんですか?!急にこんな所まで連れてきて!」

「水無桃果ちゃん、知ってるだろ?」

そう俺が言うと古河は俺を睨みつけた。血の気が多いな此奴。

「水無の事なんで知ってるんですか?!貴方まさか水無の┈┈┈┈」

古河を遮るように俺は口を開いた。

「違う違う、俺はお願いしに来たんだ。」

「桃果ちゃんと良く関わってるだろ?君。だからさ、桃果ちゃんや他の奴らには無愛想に接してくれないか?」

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