第6話 「偽り」

古河が亡くなった事がニュースで報道された。犯人は未だに捕まって居ないのだと言う。やっぱり隠せば良かったかな?これから色々面倒になりそう。

「カナタぁ、大丈夫かな?私だってバレないかな?」

「大丈夫だよ!絶対バレないから!」

カナタはそう言って私の頭を撫でてくれた。安心する、嬉しい。花瓶が満たされていく。行きたくない学校へ。行こう。

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「桃果、聞いた?古河がっ、亡くなったって」

蓮花ちゃんは酷く泣きそうな顔をしながら私に話しかけてきた。元は古河が原因なんだけどな。分かってないのかな、そりゃ知らないもんね。

「聞いたよ、蓮花ちゃん。辛いよっ。」

私も泣きそうな演技をしながら蓮花ちゃんに言った。バレなればいいの、偽っていれば何れ古河の事なんて忘れる。

「桃果っ、取り敢えず教室行こ?」

蓮花ちゃんは私を強引に教室へ連れていった。

皆授業に集中出来ていなかった。人1人居なくなっただけでこれなんだから。私も偽ろう、悲しんでいるように。もしもバレたら、私はどうすればいいんだろう。まあいっか!その時に考えよう。

授業が終わり、放課後になる。皆帰って行く、部活がある人は部活に行く。私は部活に入ってないし、私も帰ろう。

「あっ桃果!ちょっと待って!」

突然蓮花ちゃんに呼び止められた。何の用?

「どうかしたの?蓮花ちゃん」

「桃果!これあげる!桃果のサラサラな髪に似合うと思うんだ!」

蓮花ちゃんがヘアピンを差し出してきた。鈴蘭のお花が付いている。要らないけど貰おうかな。

「ありがとう!蓮花ちゃん!私用事があるんだ!」

そう言って足早に私は教室を出る、私に向かって蓮花ちゃんは手を振って居た。

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けたたましいサイレンの音、パトカーが行き交っていた。煩いなぁ、早く帰ろう。こんなにパトカーが居るのは珍しいかもな。

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甘いアパートの前、やっと帰って来れた。

「ただいまぁ!カナタ!」

「おかえり!桃果!学校大丈夫だった?」

「大丈夫だよ!」

カナタは、お疲れ様と言って私の頭を撫でてくれた。瓶が埋まっていく、甘い蜜で。そういえば、カナタは何で私を匿ってくれたんだろ?

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