第八集:悪意の始まり
何度か小競り合いはありつつも、
最後の試験も終わり、最優秀者として
「難しすぎるよ……」
「まあまあ。
「それはみんなからすれば及第点ってことでしょう」
座学の試験に関していえば、
「
もし
「なんだ、まだ落ち込んでいるのか」
「満点の人にはわからないですよ、
「武術の試験で七十人全員を打ち負かしておいてその態度はないだろう」
そんな
「……
「あら、
「
「あの二人はお母様同士がとても仲が良くて、偶然、同じ日に同じ場所で産気づいて、数分差で出産したんだよ。産まれたのが男女だったから、その場で許嫁にすることが決まったんだって」
「気付かなかったことが悔しい。
「産まれた時から許嫁で、
「あの態度はそっけないんじゃなくて、特に会話しなくても相手のことが手に取るようにわかってしまうってことなのね」
「まあ、
「そんなことより、あと三日だよ? みんな帰っちゃうんだよ? 私は寂しくてたまらない」
「いつでも、文字通り飛んでくるから。まあ、
「絶対? 絶対?」
「か、可能な限り」
「
「あ、うん、可能な限り」
「可能な限り」
「三人とも、全然心がこもってないじゃない!」
可愛く
「
どうやら
小走りで駆け寄ってきた。
「また、会えるよね?」
それに気付いたのだろう。
「
「行ってもいいの?
「
「ありがとう。絶対に行くね」
何も知らない
「あのね、
「
「え……、兄上が? どうして?」
「何なの」
「行かないとどうなるの?」
瞳が光っている
「
「へえ。無理やり連れていける自信があるの?
五人は左手に持っている刀に手をかけるも、
すると、そこへ
「
「あなた達が敵う相手じゃないのはわかっているでしょう」
「何が起こっているのか知る必要がある。そうだろ、
「私達は己の意志で行くから、あなたたちは主の元へ戻りなさい」
自分達よりもはるかに強い
「様子がおかしいの。うちの門下生も、
「おそらく、
「どういうこと?」
「
緊張が走る。
「父上が
「仕方ないよ。富豪榜三位の
「その通りだよ、
「行こう」
それだけで、心が落ち着いていく。
六人は
「……なんなの?」
たどり着いたのは裏山の登山口。
集められた門下生の周囲を、
「
「ようやく全員集まりましたね。では、
「一月後、
「我が父、
場がざわつく中、
「此度の祭祀は
視線が集まる。
「
妹のことなど何も気にならないといった様子で、
「ご説明いたします。
そういうことか、と、
「ただ、困ったことに、
「必要ない」
「一人で充分です」
こうなることがわかっていたのだろう。
「さすがは
「
横を見ると、
「
「
何故か
「な……。ま、まだ祝言をあげたわけじゃ」
「あら、私は
「
「そうかよ……。そっちがそのつもりなら、いいだろう。許可してやる。だが、条件がある」
「では、
「それならば、我々も文句はありません。若い二人の婚約を心からお祝いさせていただきます」
「大丈夫だよ、
「質問とは、何でしょう?」
「私達が目標討伐数を完遂したら、友達のところへ加勢に行ってもいいのでしょうか」
場が、騒めき始めた。
「はっ。そんな簡単に終えられると? いいでしょう。もしも完遂出来れば、好きな戦場へ行くことを許可します。いいですね?
「勝手にしろ。
高笑いが聞こえる。
「
「まったく……。二人とも、本当に困った親友だなぁ。祝言では私を一番前の席にしてよね」
「当たり前だよ」
「そうだ、私も少しは牽制しておこうかな」
「梅園」と
白梅、紅梅、青梅の三人が、
それを見た
「せいぜいその奴隷どもと頑張れ」
吐き捨てるようなその言葉は、
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