第16話 破滅した2つの世界
☆
私は貴方を想って居るのに。
何故こんなに想って居るのに貴方は何故私を。
まあ私が悪いんだけど。
私はお気に入りのものをコレクションしておく癖が有るし。
だけどそれでも非道ではなかろうか。
そう考えながら私は自室の窓に手を添える。
ただ単に...貴方と仲を取り持ちたいだけ。
家族を壊滅させた?
私の親を殺した?
一部だけ正解だけど。
でもあくまでそれに関しては私は何もしてないのであるが。
「...」
それから私は一筋の涙を流した。
そしてグスグスと鼻を鳴らす。
「...私は...絶対に諦めない」
コレクションしてやるんだ。
あの男は...私の大切な恋人だったのだから。
初恋だったのだから。
そう思いながら私は窓から手を離す。
それから踵を返した。
「...私は諦めないから。十色」
そして私は椅子に座る。
室内に戻る。
すると電話が掛かってきた。
その相手は...十色だった。
「もしもし」
「...もしもし。...お前と少し話がしたいんだが」
「うんうん。何?」
「もう俺達に近付くな」
「...それはあの2人から言われた?本性を知ったの?」
「...両親を殺めたって聞いた。...それは本当か」
「嘘でも本当でも私は言わないけど。...どうして?」
「...お前は自分が最高にくるっているって思わないのか。実奈の行方すらも分からなくなっているし」
「私はそう思わないけど」
嬉しぃなぁ。
十色から電話を掛けてくるなんて。
そう思いながら私は椅子から立ち上がる。
それから私はベッドに移動した。
「...お前は数えて2回も人の家族、人生を壊したんだな」
「ああ。それ」
「...化け物め。お前の様な奴と別れて正解だった」
「あれ?私、諦めてないよ?」
「最悪の場合、警察に行くぞ」
そう脅してくる十色。
私はその言葉に「...」となって歪んだ笑みを浮かべる。
それから改めて前を見る。
そして窓に手を添えた。
「十色。私は決して諦めてないから。あくまでね。だけどしつこいと通報されちゃうから。あくまで私は私なりに」
「私は私なりとか。お前な。マジに警察にお世話になりたいのか。ぶっ飛ばすぞ」
「あはは。そんな脅しは通用しないよ。十色。私はあくまで貴方のものであり。貴方を私は愛しているから」
沈黙する十色。
私はニヤッとしながら笑みを浮かべる。
それから私は畳み掛ける。
「先に告白したのは十色だよ。間違いなく、ね。私は貴方に告白された。間違いなく私は貴方を好きになった。私は間違いなく貴方を愛している」
「この世界でお前の様なゴミ屑が居る事があり得ない。本当に」
「私をゴミ屑呼ばわりするのは構わないけど。...一つだけ言わせてもらうと私も洗脳された身分だよ」
「嘘ばかり吐くな。お前の妄想だ」
「じゃあこれはどうかな。実奈と私が今でもメッセージのやり取りをしているとするなら」
「適当な事ばかり言うか。貴様。良い加減に...」
「それに関しては嘘じゃ無いよ」
私はトーク画面の写真を撮った。
それから十色に送信する。
すると十色は絶句しているのか喋らなくなる。
30秒ぐらいしてから口を開いた。
「どういう事だ。お前はどうして実奈とメッセージをやり取りできる」
「言ったよね。私自身はこの面に関しては何もしてない、と」
「だ、だけどお前のせいで2つの世界が破滅したんだぞ」
「十色。私はあくまで2つの家族を破滅させたかもしれないね。表、では。でもあくまで私のお姉ちゃん。つまり失踪した姉になすりつけられただけだと思う。弱い精神面を上手い事、歪まされたのもあるけど」
「...お前の姉は今どこだ。何でそれを警察に言わない」
「家族の揉め事だし。それに私も悪人だし。お姉ちゃんは今、何をしているかも分からない。でもこれだけは言える。親の精神を破壊したのは事実だね。その手段としては完全に立場を逆転させた。親と自らを。姉はブランド品が好きだったから金をよく巻き上げていたよ。とにかく金に対する執着心は半端じゃ無かったし。高校も中退。それから働かずに引きこもり。それから親への暴力が始まった。私にも暴力を振るってから去ったけど。訳が分からないままだったから正直、クソ野郎とは思ったけど」
私は全てを露わにした。
それから私は回答を待っていると十色はこう切り出した。
「犯罪じゃ無いか。お前の姉は...お前に全てをなすりつけたのか」
「まあそうかな。私はあくまで精神面をレイプされて汚されている。何というか私は途中。つまり実奈とは上手くいっていたけど。まああの日かな。母さんと...いや。私達の元にお姉ちゃんが来てから全てがまた歪み始めた」
「...あの日とは何だ」
「ちょうど実奈、実奈の一家を洗脳して私達家族諸共全てを破壊しようとしたんだよ。突然現れた。お金を搾取しようとした。お姉ちゃんがお金が無くなったから」
「...」
「私は咄嗟にお姉ちゃんを殴り飛ばしたけど。そしたらお姉ちゃんは頭を切ってからそのまま逃げたけど。一家は離散した。で、今に至ってるかな」
「それで2つの家族が死んだ、か」
「だね。まあ私は浮気しているのは心の拠り所が欲しかった。愚か?なのかとは思っているけどこれは止める気はないから」
「...」
私は本音を話しながら笑みを浮かべる。
すると十色は黙っていたが。
また話した。
「...お前はこれで良いのか?」
「うーん。これは止めれない。私は悪人だし。問題は無い」
そして十色はまた黙る。
私はベッドに腰掛けながら息を吸った。
吐いてから私はスマホを握る。
「あくまで私は悪いとは思ってない」
「...そうか。それなら私はお前を迎え撃つだけだ。諦めろ」
「言ったよね。私は諦めないって」
私はニヤニヤしながら両足を持つ。
それから考える。
まあここまで来たら引き返せない。
そう思いながら。
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