第3話 (過去話)カブトムシの幼虫


「ふふふふふ」


何かスッゲェ額が痒い。

痒いっていうのがまるで何か記載。

つまり額に何か書かれている様な感覚だ。

どういう事だ!


「またお前かこのクソガキ!」


起き上がると才羽湊がニヤニヤしながら俺の額に、顔中に落書きしていた。

こんちくしょうめ。

油性ペンで書かれると後処理が大変だぞ。

まともな起こし方は無いんか。


「湊!貴様というクソガキは!」

「おはよう。お兄。起きない方が悪い。お前はやはり間抜けだな」

「ハイ。ブブー!クソガキは口答えに気を付けてな。お前とか使わない」

「いや、だって子分だし」

「お前の子分になったつもりはねぇ!年上を敬え!」

「あはははwwwやめ!くすぐるな!へ、へんたい!ろ、ろりこん!」


俺の名前は湘南十色。

15歳、補欠バレー選手。

何というか県立中学に通っている男子中学生。

短髪にしている髪型。

彼女無し。


そんな俺にも付いて来る女基、クソガキが居るっちゃ居る。

名前は才羽湊。

近所の8歳のマジな超迷惑クソガキ。

イタズラ好きで俺に毎回毎回イタズラをする。

そう。

油性ペンで顔に落書きとか。

しばくぞ。


「私に触るとお兄はろりこんになるぞ。タイーホだぞ」

「どっから言葉を覚えた。このクソガキ」

「お兄。クソガキじゃ無いぞ。私は。起こしてやった。ちゃんと王様として見ろ」

「嫌に決まってんだろ。ざけんなこのクソガキ」


俺は顔を拭きながら眉を顰める。

すると湊は無い胸を張った。

女児のポリキュアのTシャツが動く。

つーか。

日曜日だぞ今日は。

マジにふざけるな寝させろ。


「お兄。取り敢えずは虫取りに付き合え」

「ふざけるなコラ。今は8月でクソ暑い。出たく無い」

「お兄にいじめられたって言うからな」

「分かったよ!付き合えば良いんだろ!」


何でこのクソ暑いのに外なんぞ。

そう思っているとドアが開く。

それから母さんが顔を出す。


「起き...何それ?あっはっはw」

「見て分かる通りだ。クソガキに起こされた」

「私はクソガキじゃねー。良い加減にしろ」

「クソガキはクソガキだ」

「もー。そんな事言わないの。クソガキだなんて」


するとうりゅっとクソ...じゃ無くて湊が涙を浮かべた。

名前を呼んでくれない事に腹を立てた様だ。

俺は目を回して弁解する。


「すまんって」

「......お兄のばか」

「あーあ。女児を泣かしたー」

「言い方ぁ!」


警察が聞いたら俺捕まるから!

マジに止めようぜ!

そう言いながら俺はク...じゃ無くて湊と母親と一緒に階段を降りた。



「カブトムシを捕まえてやる」

「ふぁ...眠い」

「コラお兄。聞いているのか」

「聞いてるっつーの。何だよ」

「お兄は何を捕まえるんだ」

「俺か?トンボでも捕まえる」


湊は?を浮かべる。

それから俺を見てくる。

何だよ。


「え?それだけか?」

「それだけって何だよ。それだけだぞ」

「つまらなさ過ぎだぞお兄。トンボ捕まえるのはれべるあっぷが出来ない。この前も同じ事をしていたじゃないか」

「何でも良いだろ。俺がしたいんだから」

「じゃあ一緒にさ。カブトムシの幼虫探さないか」

「あ?!」


俺は愕然としながら話を聞いた。

すると湊は俺をジッと見る。

俺はその事に慌てて目を逸らす。

まさか...察される訳にはいくまい。


俺が毛虫とか幼虫系が...好かんとか。

何というかクソガキの時代にグシャッと潰れていた幼虫を見てから毛虫系が駄目になった。

なので幼虫系は全部駄目だ。

が、まさかそれを察される訳にはいくまい。

このクソガキにだけは絶対に察される訳にはいかない!


「何だ?お兄」

「そ、そんな、訳あるか!俺は怖い訳ではない!」

「うん?まだ怖いとか言ってないぞお兄。ぼけつを掘ったな。( ・∇・)」

「き、貴様!い、いや。俺は怖い訳じゃない!何処でそんな言葉を知った!」


このクソガキ。

無駄に変な能力だけ伸びやがって。

俺は15歳だ。

そんなもん怖く無いわ!


「ははん。お兄はカブトムシの幼虫が嫌い、っと。改めて知ったぜ」

「怖くねぇって言ってんだろこの野郎」

「ほい。お兄」


するとクソガキは投擲してきた。

それはカブトムシの幼虫だ。

俺はそのまま膝が崩れる。

クソガキは唖然としていた。


「お、お兄!すまん!悪かった」

「く、クソガキが」


それから俺は地面に萎れる。

すると湊は俺に麦茶をぶっかけてきた。

そして湊は慌てる。

何とか気絶だけは免れた。

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