第40話 あなたと私は一緒

帰ってきてからラプリエールがなんか考えこんでるなぁ

大丈夫かな?

「ラプリエール…どうした?」

布団に入ってからもゴソゴソと動くラプリエールに声をかけてみる

「うーん…あのね、アンドリダ…

私色々できる様になるから…お金もかからなくするし」

「なんだよ?金なら俺が…」

「そうじゃなくて…いつまでもアンドリダの負担になりたくないの」

「ラプリエール…?俺の事捨てるのか?」

やっぱり魔王国に連れていくのはまずかったか?

「魔物化しなくてもいいから…俺もこのままでもいいからっ俺を捨てないで?一緒にいてよっラプリエール!?」

思わずギュウと抱きしめる

やだやだと子供みたいにわがままをいう

「違うの。落ち着いてアンドリダ。一緒にいたい。連れていくって言ってくれて嬉しかった。私も捨てられたくないって思ってる」

「じゃあ、何…」

「ねぇ。アンドリダ、魔法使いの一族の人たちは人間のままでも魔王国に住めるのよね?

じゃあ魔物化するかどうかは後にして

私達もあっちにいっちゃいましょう?」

「え…」

俺は目玉を落としそうなくらい目を見開く

「ぜーんぶ投げ捨てましょう!婚礼の式の前にっ!」

「…いいの?」

「王国の国防とかは以前から騎士団や兵団がやっていたんだからアンドリダが居なくてもなんとかなるわよ」

きゅううっとラプリエールを抱きしめる

なんかわからないふわふわが胸から腹まで広がってあったかくて嬉しい

「ラプリエールに苦労はさせないから」

「あら。苦労なんてしないわ、でもワタクシもあちらでアンドリダと支えあいたいの」

「ラプリエールっ」

感動と嬉しさで思わず涙が出た

誰かに認められて誰かを愛するってこんなにいいもんなんだな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

魔王国から帰ってきてからずっと考えてた

幸せそうな覚悟さんとイーリアー

ガドリアさんとプリモさん

魔物化はしていなくても舞岡さん大好きで幸せそうな炎熱さんと全部わかって待っている舞岡さん

こっちで毎日モヤモヤしている私達より有意義に生きている気がする

カタンはあいつと違っていい王だ

アンドリダはたしかにそんな風にいっていた

だったら、もうこれだけ助けたんだから

本当に王も王国も国民も投げ捨てて私達も自分の為に幸せになってもいいんじゃないかしら

どうやってきりだそうか考えているとアンドリダからどうした?と尋ねられる

どう伝えたらいいか考えながら話をしているとアンドリダったら悪い方に悪い方に考えちゃったみたい


慌てて自分の気持ちと伝えたい事をわかりやすく伝えると、いいの?って悲痛なくらい嬉しそうにする

そんなアンドリダが愛しくて愛しくてギュッと抱きしめるときゅううっと抱き返してくる

あなたもやっぱりワタクシと同じなのね?

ずっと一緒に支えあいましょうね?

捨てないわ捨てないで

ずっとずっと一緒よ

アンドリダの目に浮かぶ涙を見てワタクシも我慢ができなくなる

あぁ。誰かに認められて誰かを愛するって素敵ね

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る