第39話 魔法使いもういないから
アンドリダが呼んでいるわ
ここは魔王国だしもう淑女とかどうでもいいわね
パタパタと走ってアンドリダの所へ行く
背中にぶつかって抱きしめる
だって連れていってくれるって言っていたんですもの
「うわっと…別にそんなに急がなくていいよ」
アンドリダが驚いている
「あ、えっと僧侶覚悟さん」
「覚悟で大丈夫です。」
そう言うと綺麗な女性を手招きして
「妻のイーリアーです」
と紹介してくれた
妻の…イーリアー…え?
「イーリアーさんはじめまして、ラプリエールです」
「お話は伺っています。可愛らしい方ですね。良かったですねアンドリダさん」
うふふと妖艶に笑う
優しくて美しい…いやいやいや
「あ、あの…アンドリダ、イーリアーさんってこの間のペンダントがお揃いの…?」
ぼかして尋ねると
「あ、そうそうサッキュバスのイーリアー」
って、あわわわわ。
「あ、なんだ言ってたのか。ラプリエール姫、サッキュバスのイーリアーと夫でインキュバスの覚悟です」
僧侶に羽と尻尾生えた!!
「覚悟、イーリアー好きすぎてあっという間に魔物化しちゃってさー。変人だから」
アンドリダが笑っていう
もう大混乱ですわっっ
隣から
「あのね、アンドリダ。私も随分変人だったみたい」
と魔法使いが顔を出す
よく見ると耳が豚の耳に。目が白目が黒くて瞳孔が金色になっている
「!!!!!」
あ、みんな知らなかったんだ
「がっどりあか!?」
「ガドリア!?」
「いつの間に!」
驚く三人に、可愛くエヘっと返すとガドリアを呼びに行く
引っ張られるようにやってくるガドリアに事の経緯を説明しているみたい。可愛らしくて幸せそう
「あぁ。言ったんですね。プリモ」
ガドリアさんが恥ずかしそうに頭を掻いている
「自分は中魔なのでもう少し上の方から魔細胞をわけて貰ってほしいと言ったのですが…」
ガドリアさんはちょっと言いづらそうにしている
「いや、わかるよ。プリモ」
そう言ったのは覚悟だ
「俺もイーリアーからカタンに貰うか聞かれたけどイーリアーと共に在りたいから魔物化するのにイーリアーに置いて行かれたら意味がないと思った」
覚悟がそういうと
「そのとーり!」
とプリモがウインクしてガドリアが嬉しそうに笑う
「おめでとう御座います」
そう言って心から祝福できた
私もやっぱり連れて行って貰おう
アンドリダとなら魔物にもなれるわ
「と言うことは、もう王国は魔法使いの治癒に頼れないんですね。」
「頼られないために一族で引っ越したの
王国では魔法使いが必要になるかもしれないから絶やすな、しかし不要なときは殺せでもう一族はこっそりと滅していくつもりだったのよ。
でも、きっとまたこっちで増えるわ
あちこちで魔物の方との恋愛も発生しているしね」
チラッと覚悟さんを見ると
「私は責任もありますからしばらくはあちらで。
寺は弟に譲ってソッと離れつつ誰も探さなくなったらこちらへ居を移します。害意のある者、王宮から利用する意図のあるものは寺にも近くの者にも私にも近づけなくなる魔法をかけてあります」
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