もう全員いないから
第38話 魔王国の中
「それは今すぐに決めなくても大丈夫ですよ。ラプリエール姫。いらしてくださいな魔王国の奥、危険はございませぬ」
優しい声音でカタンが告げる
「ふふ、お城言葉になると本当に舞岡。声もトーンも。中身は変わらないのね。いってまいります」
そうカタンに言うとアンドリダがワタクシの手をもう一度引く。何故かしら?と見ると
「…お前、カタンにいい笑顔見せんな」
ってムスッとした顔で言われた
「まぁ、嫉妬ですか?アンドリダ。かわいいですわ!!!」
「うっせっ!ち、違うわ!ばーかばーか」
真っ赤になって繋いだ手をぶらぶらされる
かわいいですわ
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まぁ嫉妬っちゃー嫉妬か…
カタンに何一つ勝てないからラプリエールとられそうで焦るんだよな
ブンブンしていた手を引き寄せる
(なかなかいい感じだね。アンドリダ)
二人を見送ったカタンは自室でゆっくりお茶を飲み始めた
あ、アスラスにラインしておくか。
二人の縁、気にしてたしな
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「おーい!プリモー!」
「あ、アンドリダ!どうしたの?あれ、ラプリエール姫も」
「手伝い来た」
「ありがとう。今オークさんたちも来てくれているの。あと覚悟とイーリアーさんも手伝ってくれてる」
イーリアーさん!?とラプリエールが反応する。
なんだろ、後で紹介しなきゃな
オークかぁ、あ、いたいた
「おーい!ガドリアぁあ」
「あ、アンドリダさんお久しぶりです」
挨拶しながらガドリアのそばにある荷物を他のオーク達やガドリアと同じ様に運ぼうとする
「おっ…も!!?」
「あ、そういうのは我々が。あちらの精密な物をお願いします。精密な作業は苦手で」
話しかけてきたのは普通のオークだ
え。丁寧で紳士的ぃ。めちゃくちゃ知的じゃん
「ごめん、アンドリダー!あっちの梱包もしてもらったからその辺りのやつは200kgくらいあるみたいー」
はぁ!?あいつら2つ3つ持ってんぞ。どんな力だろ
「人間なのに持ち上げるだけでもさすがです」
ガドリアが褒めてくる。ガドリアは好きだ。素直に褒められてやろう
「ありがとう。一応は鍛えているからな。
プリモーこれ魔法で運べないのかよ」
「魔法が使える子供は生まれたら殺されていたから私しかいないの。こんな沢山無理」
そうプリモがいうとガドリアが
「酷い話です」
と涙ぐむ
「お!オークの涙って酒に入れるとうまくなるらしいな。ちょっとくれ!」
「嫌ですっ引っ込みました」
「えーケチだなー。俺のも入れてやるし」
「どうなるんだよ」
後ろから覚悟がやってくる
「ちょっとしょっぱくなる」
「いらねー」
わはははははって笑う。やっぱ俺こっちがいいな。自由でさ
「あ。ラプリエールー!」
紹介しなきゃな。イーリアーもほんとの覚悟も
「え。お前姫連れてきたのか」
覚悟がビックリしている
「うん。多分大丈夫」
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