第37話 アンドリダの真の心

「お前ぇっなんだこの連れてきかたっ怖かったぞ」

アンドリダが猛抗議をしている

「風呂上がりで下がパン1だったもんでな。凄いだろ〜両手使わないでズボン履けるんだぞ」

「はぁあ!?別に急ぎじゃねーだろっ」

まるで兄弟喧嘩だわ微笑ましい。やっぱり優しいのね。アンドリダが子犬みたいに懐いてる


「アンドリダ、ワタクシにも挨拶をさせてくださいな」

アンドリダが魔王から離れるのを見てから

「はじめまして、モンスターキング カタン」

最上級に綺麗な礼を意識して礼をとる


そして1拍おいてからはっきりと声をはって

「何か理由がおありで、舞岡さんなのですね?」

と続ける


カタンが、悪さを見つけられた子供みたいに

「あぁ…」

と返事をする隣でアンドリダが面白いくらいビックリしているわ。


今日会ったばかりの見た目に反して本当に優しい格闘家の顔が思い浮かぶ。舞岡の話をとても嬉しそうにしていた


「その為に女性を1人たばかっているならゆるしませんよ!!!!」

魔王にきつい言い方をしたと思ったけど後になんかひけない。怖い見た目の魔王を睨みつける


「それって雷堂炎熱?」

アンドリダが笑いながら聞く

魔王な舞岡は困った様な顔をして赤くなってる

ボソボソと「炎熱さんったら何言ったんだ…」

と聞こえた

チラッと魔王を見たアンドリダはイタズラな顔をする

「大丈夫。炎熱はちゃんと知ってるし2人はチヨーーーーラブラブだから」

明らかにからかってる。魔王を…

「ら、ラブラブとかっないからっ」って否定したあと魔王涙目で

「…多分…だって…まだ」

とションボリ続ける。え?何?

「あのな、慎重にならない人間の方が変なんだぞ。俺はヒトの事いえないけど。」つまり禿最変態とか言ってる

「なんのこと?」と聞くとアンドリダが近づいてきて、ラブラブだから魔物化して欲しいけれどまだ渋られてると教えてくれる

魔物化…?

はっ


「アンドリダ!あなたっヒトの事言えないってもしかして!?」

「うっせぇ、でかい声出さなくても聞こえてるよ。強くて永い命欲しいに決まってるだろ」

って言いながら近づいて来て右手を伸ばす

「一緒に捨ててやろうぜ。あいつ」

「アンドリダ…王国も…国民も捨てるのですか?」

王だけじゃなくて

「だってアンドリダ…盗賊や害獣をやっつけて国民を守っているじゃない…?」

そう言うとアンドリダの空気が冷える

「それは今は王から敵視されないためと…金のためだ、それに王国や民は元々俺と繋がる…俺のもんでもないから捨てる様なもんでもない」

「でもっ…守らないのかと聞いているのですっ」

憎いのは王だけのはずだわ…


「自由になってからの俺が?無償で?なんで?

じゃもし20歳になって勇ましき者じゃなかった時誰か国民が助けてくれたと思う?」

焦れたように言う

「討伐が遅い。まだ魔物が残ってる。つえーつえーかっこいい。ありがとうまた戦いに行ってください。誰も俺の身の安全なんて考えてない」

低い声で唸るように言う

「愛してくれもしない国民を俺だけ一方通行で愛して守るのかよ!?勇者だから!?」

泣きそうに叫ぶ

「アンドリダッ」

思わず駆け寄って抱きしめる

「ごめんなさい。アンドリダ、そんなつもりじゃ…」

しばらく大人しく背中をさすられていたアンドリダはワタクシを優しく抱きしめ返して

「ごめん」

と静かに言う。

キューンとするコレが何かはわかってる

「ワタクシが愛しています。アンドリダ」

そう言うと、うんと小さく言ってからワタクシから離れると

「どうせだしまだ魔法使い一族引っ越し作業やってんだろ。手伝ってくる。行こう、ラプリエール」

と手を引く


「魔法使い一族…がお引越しですか?こちらに?」

「うん。半魔なんだってさ」

「魔法使い一族さんが…?」

「プリモ……俺も

どうせなら全魔になりたいんだ。ラプリエール連れて」

そう言って真剣な顔をされる

ワタクシを連れて…ワタクシを連れていってくれるんですね。嬉しい

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る