第36話 魔王はまだ居ます
「まて、アンドリダとはそんな仲じゃないぞ」
格闘家さんが慌てて否定するとニヤニヤしたアンドリダが
「炎熱は舞岡一筋だもんなぁ!丹田大好きらーぶらーぶぅー!」
とからかう
舞岡…丹田…
「それは、王宮魔物研究所の舞岡さんですか?」
勇者が帰還してから差し出されるまで色々と相談にのってもらった
「はい」
と恥ずかしそうに返ってくる
「少しかわった雰囲気のある優しくて良い方ですね。そういえば王宮にいらっしゃる須原さんもかわった雰囲気がしたので尋ねてみましたが、ご兄弟ではないそうです」
そういうとみんなの空気が一瞬変わる
ピリッとした雰囲気に圧倒されそうになるが、
「そうですか」
と格闘家さんが微笑んでくれていつもの場所への移動が始まった
少し後ろで僧侶と魔法使いが
「魔多乱がわかるわけではないみたいだな」
「良かった」
と話しているのは聞こえていない
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楽しかった
市井のお料理も美味しいしお話も楽しい
街も平和で本当にアンドリダが魔王を倒してくれて
良かった
いつも通りにアンドリダの部屋にくる
「アンドリダ今日はありがとう。楽しかった」
「楽しめたなら良かった。うるさかっただろ」
苦笑したみたいな顔をしている
「いいえ、本当に楽しかったわ。アンドリダが魔王を倒したおかげね。街も平和そうだったし
良かったね。魔王、いなくなって」
そう言ってアンドリダを見るとちょっとこまったような顔をしている
?どうしたのかしら?
「あんまり魔王を嫌ってやるな。」
アンドリダがちょっと真剣な顔をする
戦いの中で少し友情が芽生えたとかそんな感じなのかしら??
「そうね。もういないんだしね…」
「いるよ。あいつよりよっぽどいい王だよ」
は!?
え!?倒してないの!?
「魔王は倒せる様なもんじゃないし、あいつよりいいんだよ。倒す必要もない」
「え、でも格闘家さんがトドメをさしたとか…」
「あーまぁー…トドメというかなんというか…
うーん…あってみるか?まだ時間早いし。多分大丈夫だろ」
そう言うとなにやらスマホをポチポチと触っている
「何しているの?」
「魔王にライン。行っていいか、迎えにこいって」
「は?」
次の瞬間何もない所から手が2本生えてきてワタクシたちを掴むと
ズボッとよくわからない空間を高速で移動する
「きゃああぁぁぁあ」
「な''っ!?てめっいつもあいつの迎えは全身でぇっ」
スポッと出た空間には
角と三つ目、かわった目の…
スウェットの男性がいた
「はじめまして、ラプリエール姫」
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