第33話 下心…?
ま、待って待って待って
どうしていいかわからなくて眠ったふりをしていたら、アンドリダが髪にキスをしたり(勘違い)ワタクシを抱きしめたりそのあと密着したり(勘違い)してきたわっっ
アンドリダっ眠っている淑女を襲うのはマナーいはんですわ!!
あぁ…アンドリダいい匂いね
暖かくて腕も適度に弾力があるわ
サラサラの寝衣もいいわね…グゥグゥ…
はっ!!眠ってなんていませんわ!
…ってアンドリダがいないわね
今何時かしら
まだ薄暗いのに窓の外からなにか音がするわ
怪しい人じゃないといいけどと警戒しながら窓を開ける
窓の下の中庭ではすでに汗の玉を散らせるほどにあたたまったアンドリダが訓練用の剣をふるっていた
時計を見ると5:45いったいいつから…
はしたなくも大きな声を出す
「アンドリダ。おはようございます」
汗を拭って振り向いたアンドリダが笑う
「おはようございます。ラプリエール、今朝は早いな」
キューン。いいですわ
…キューン?え、何かしらこれ…???
すぐにシャワーをしたのかしら頭が濡れたままで部屋に戻ってくると戦闘用の服と簡易的な防具をつけ、部屋に掛けてあった聖剣を手にする
「アンドリダ…どこに?」
「西の街道の隣国との境にに怪しい集団がいるらしい。どうも武器を集めているみたいだから行ってくる。昨日の王宮呼び出しはその依頼だ。すぐに済ませてはくるけれどご飯食べたり就寝したり…待ってなくても大丈夫だから」
「気をつけて!あの…っ今度きちんとアンドリダ用に作るけど」
そう言って、刺繍のハンカチを取り出して急いでひと針だけ刺してポケットにねじ込む
安全祈願に本当は願いを込めながら刺繍しなきゃいけないんだけど…
「ありがとう」
それでもアンドリダはそう言って笑うと部屋を出て
手すりを飛び越えてホールに着地して
「いってきます!ラプリエール」
と手を振って出ていった
…全くもう、粗野(力強くて元気でかわいいわ)なんだから…キューン
って何かしらこれ
「アンドリダ」
禿頭が今日もつやピカしてお手入れ良好な覚悟が今日はなんか凄く怪訝そうに見てくる
「なんだよ。やめてよ。見つめないでよ。お前の力になんか墜ちないからな!インキュバスめ」
「…やかましい。お前なんで今日そんなに楽しそうなんだ。動きも顔もやかましいぞ。なんかあったのか」
「何もない。」
そう言いながらも右のポケットに手を当てる
「そこか…」キュピーン
うわ。なんだ光もないのに光んな
「へー。ナスタチウムの刺繍か。困難に打ち勝つ
姫様から?うまくやってるじゃないか。意外だな
カタンの試練ためか?」
うわ。スリうまい僧侶とかどうなんだよ…
そう…たしかにカタンからの試練の為にラプリエールをうまく陥落させて思い通りに事を運びたい下心で始めたラプリエールをおとす作戦だ
…ったんだけど…
なんか…やだな…そうじゃなくて…
「ふーん…アンドリダこれ終わったらまたパーティで呑みにいくか」
「?おぅ…終わったらなー。うまい酒呑みたい」
「じゃ。姫連れてこい」
そう言うと覚悟がバフを重ねがけしてくる
…前になんかいる
「わかった。終わったらな」
そう言って飛び出した
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