第29話 とても楽しい

お店に入ると店員とアンドリダが何かを話して

すぐに私が連れていかれる

仕方ないのでそのまま採寸され、市販の物で形を合わせる

「アンドリダ、これはどうかな?」

緩やかなAラインのスカート部に縦にレースと華が入っている

「綺麗だな。凄く似合ってるよ」

「ありがとう、アンドリダの服…わあぁああ」

またすぐに連れていかれる

「そ、そろそろ決めたいんだけど…」

試着して出てくるとアンドリダが試着している

わーーいい凄くいい。

「アンドリダ、あっちも着ようっあ、あれも…」

「俺のは勇者用で決められてる。サイズだけ合わせてる」


私の楽しみがあー。王許すマジ

今までで最大に許すまじ


「…何?顔怖い」

「私はアンドリダの衣装をえらぶの!楽しみにしていたのに」

うらめしげに伝える。

仲良くしたいかもなんて…今更かしら

アンドリダは、うーんと少し考えた後ちょっと悪がきみたいな顔になる


「アレンジしちゃおっか!」

服飾師が驚いた顔をする

「指定はここまでだろ?ちょっとラプリエールと同じレースをこの辺りから垂らしたり、ラプリエールのドレスの共布でくるみボタンにするなら大丈夫じゃない?」

あー…アンドリダらしいといいか…

「なら、色々試しましょうか」

服飾師が言う

やったーアレンジさせてー


ふう…アンドリダに基本衣装を着せたままで色々やった結果大満足だわ

アンドリダさすが勇者ね!3時間そのまま立っていられるなんて素晴らしいわ!


「満足したか?」

アンドリダが苦笑する。

…甘えさせてくれる人を求めていた隙間が埋まるのを感じる


私こんなに単純だったかしら


きっと違うわ。これは満足感よ

「まずまずかしら。とりあえずこれで決定にしましょう。疲れたわ」

ちょっとわがままそうに言う

そうよ。私は翻弄されたりしてないんだから!

勇者だからって私に勝てると思わないで!アンドリダ!




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