第27話 知ろうとしなかった
朝起きていつも通りに訓練をする
ラプリエールはまだ起きる時間じゃないし
依頼されていた害獣退治をこなして風呂に入る
朝食に向かう廊下を歩きながら
ふと、ラプリエールの部屋へ行ってみるか
と思いつき、庭の花をつむ
朝の日差しの中、朝風呂に入れて貰ったあと髪を綺麗に結ってもらう
いつもはアンドリダも出かけていて顔も合わさないか寝込んでいたのでやや適当になっていた身だしなみを完璧にしてもらう
今日は一緒に婚礼準備をと…言っていたような気がするから…
コンコンコンコン
と、部屋の扉をノックする音がして部屋前にいたはずの侍女が入室して来る
「ラプリエール様、アンドリダ様がおこしです」
え?アンドリダが?一度も来たことなんてないのに
「入っていただいて」
期待に声がうわずる。
爽やかなお出かけ用の衣装にいつもと違って綺麗に髪を整えたアンドリダが入ってくる
一緒に、出かけるために…?
「おはよう、ラプリエール。急に来てごめん
朝ごはんまだなら一緒に食べよう」
腹が減った腹が減った!早く食べよう!!
アンドリダがエスコートをしてくれて食堂へ向かう
アンドリダがエスコート!!
こんな日が来るとは思わなかったわ
アンドリダはあの王が選ぶだけあって見た目はいいのよ。キリッと前を向いて歩く横顔が朝日に照らされて美しいわ
「アンドリダは朝から沢山食べるのね」
朝は優雅に身体を動かし始める為に少しをゆっくり食べるものだって習ったわ
やっぱりアンドリダは粗野な…
ため息を吐きかけると
「あぁ、ごめん。今日は朝から訓練して、その後で○山ふもとに出ていた巨大熊を3体駆除してきたからいつもよりお腹がすいてしまって」
と、頭を掻いて手を止める
「え?訓練して…熊を3体…
一体アンドリダは何時に起きているの…?」
ちなみに今は9時すぎ。準備に少し待たせていたから……
「無理矢理早起きさせられて訓練させられてたからそういう生活リズムが出来てるんだよ」
嫌な記憶が蘇る
私もそうだった…毎日ムチでたたかれて無理矢理訓練してた
私、アンドリダは昼間ダラダラしてるか出かけてて、怠惰な人だって勝手に決めつけてた
確かに私は贅沢だったわ。
アンドリダに気に掛けて貰いたいからって部屋にこもって拗ねていたんだもの…
あぁでもそういえば以前も王宮に行くって言っていたわね
仕事をしているとも…
「アンドリダ、ごめんなさい。私あなたを知ろうともしないで勝手に決めつけていたわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます