第22話 ゴーギル ガドリア

「うわぁあん、ハゲッキュバスきたぁ。何あれー」

プリモが来た

「だから、ハゲッキュバスだろ座れ」

ハゲッキュバスも帰ってきた

「うわあーん禿てるぅ」

いつものノリである


プリモは可愛らしい見た目に反して胆が座っているカタンにもアスラスにもさほど驚かずに、カタンとアスラスの生まれから、一族引っ越しの流れまでを聞いている


なるほど両方ともビッグバンの産物なのか


「わかった。一族を説得してくる。多分大丈夫

私も100%こっちに住むわ

あっちでは一族や私への小さな嫌がらせやストーカーが嫌だし…もしも不都合あるなら、その2人の心理操作貸して」

いやほんと胆座ってんな


「お前ー、あれ以来一回もこっち関わってないよな?何でそうスルっと受け入れられるの?」

素直に聞くと

「いい質問ね!アンドリダ」

とウインクしながら指をさされる

「キモい」

「殺す」

コッワ。誰だよこんなのストーカーすんの


「うちは、昔から一族でいたから、自分たちにまつわる古い話は色々と真偽ないまぜではあるものの、伝わってきていたのよ。」


「魔物が悪いものでない事も、魔王を倒す事ができないのも。理由は知らなかったけど」

「魔王倒せないの知っていたのか」

覚悟も驚いてる

当たり前だよなぁ。

一緒に、倒すつもりで旅していたはずなんだから

「あー、じゃあちょっとトイレ行ってくる

その後飲みに入れて」


たたっとトイレに走っていく


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何飲もうかなぁ

魔界の地酒的なのあるかなー

ってワクワクしながら走ってしまったから

ドンッ

店員さんにぶつかってジョッキを割ってしまった


「ごめんなさい。ちょっと考え事していて。雑巾をお貸しいただけたら私が…」

「いいですよ。危ないですから。」

店員さんがスッと雑巾で片付けはじめる

「気にしないでどうぞ」

豚耳のイケメン店員さんだ


「ありがとう。…あのっ…えっと…もしかして

中央塔のオークのボスさんですか?

お声が…」

豚耳イケメンが目を見開く

「わかりましたか?凄いですね

ガドリア。ゴーギル ガドリアと言います。オークです」

しゃがんで一緒に破片を拾いながら

「ガドリアさん。さっきカタンに、聞いたわ

ありがとう。私達の移住の事」

「あ…何も…、あ、危ないです。後は雑巾でやりますから」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

プリモ・ソファレ…あの戦いのなかで気になった

味方の回復と時々攻撃魔法を当たるか当たらないかくらいで放ってくる厄介な魔法使いだと思っていたが、味方にバレない様に小魔を「あなたには、危険」と言いつつかばい、転送した上で仲間に

小魔を退治と伝えていた

やっぱり、いい人だ。

魔物使いの一族、大丈夫そうですね

「お待ちどう様です」

注文の飲み物を持っていく

あれ?そういえば1人足りないな

「今日は格闘家の方はご一緒じゃないんですね」

声をかけると、勇者が神妙な顔で

「あー…そうか、覚悟。炎熱にもお前や魔王、アスラス神の話をしないと…」

「炎熱は知ってる」

「え?知ってんのか?!」

「元々あいつがカタンに告白されて」

「カタンに告白!?」

「イーリアーに相談に来ていたんだが、その時の対応や優しさ諸々に惚れて魔物化したの。俺。」

そうなのか…魔王様やるなぁ









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