第19話 飲みに行こうか
「じゃあ、どうするの?お前と戦うなんてしないよ?」
「わかってるけど、魔物を討伐するって刷り込まれてんだよ」
アンドリダは困った顔で俯いてしまう
「お前にしても姫にしても、納得できない王のやり方に従い続けるのって何で?
一応魔王に勝ったし、認められたからあっちは姫と地位を寄越したんだろう?義理は果たした。違うか?」
ゆっくりと聞くとアンドリダが苦々しそうに
「でも結局魔王生きてんだろ?バレたら処断だよ」
と吐き捨てる
「魔王は自らが戦いに出ていたね」
アンドリダの顔が上がる
「自らは無傷でふんぞり返る我が王とは大違いだ。城を移転させて小魔中魔を城内で守りながら、自ら情報を取りにこっちへ出てきている。俺は魔王みたいな王の方が好きだな」
「サッキュバスの話を真に受けてんのかよ」
「いや。魔物になったあと会いに行った。あと、俺の…魔力じゃなくて法力の方も上がったのわかる?」
「あぁ…わかる。だから修行したのかって」
「アスラス神にあって加護を貰った。正確には強くなる物資との縁を貰った」
「アスラス神…?なんで…?」
「知りたい?じゃあ飲みに行こう!目を瞑って!」
アンドリダの腕を掴むとそのまま瞬間移動する
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目を開けるとめちゃくちゃ知っている城が建っていた
「魔王城じゃねぇか!!?」
振り向くとサッキュバスみたいな覚悟がしれっと
「そうだよ。飲める施設があるらしい」
と歩き始める
城顔パスかよ…
熾烈な戦いを繰り広げたはずの玉座の間は綺麗なままで、そこを通り過ぎて靴を脱ぐ
しばらく行くと勝手に扉が開いて覚悟に手招きされるままに入ると
上下スウェットの魔王カタンがダラダラしながらスルメ食ってるっ
なんか腹立つっ
「覚悟…、大丈夫なの?アンドリダこっちに連れてきて…なんか顔怖いんだけど?
アンドリダ、今は戦わないよ。プライベートだし」
「さぁ…知らぬが」
なんて覚悟は魔王の前でも適当だ。
いいのか?
「おおくの者が飲む施設が一番近いけれど…暴れないで飲める?アンドリダ」
アンドリダなんて馴れ馴れしいなと思ったけど戦う時もずっとアンドリダって言ってたな…
元々か
「気安く呼ぶな。魔王カタン」
「そちらの方々は我々が行っても大丈夫ですか」
「ほとんど逃げていたし、俺も守ったから被害はないよ、ただ小魔とか歩いてるから衝撃に注意してね。地図を渡すよ」
無視して2人で話を進めるな
なんでわざわざ魔物の酒場に行くんだよ
「なんなんだよ!覚悟っ」
「アンドリダは考えられる男だと思っている。
姫をお前がお救いせねばならぬなら、きちんと真実を見て考えて欲しいだけだよ。行くよ」
ゆっくり諭すみたいに言われたら黙るしかないだろ
時々年上らしく…僧侶らしくなるんだよなぁ
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