この国と魔王の国
第17話 アンドリダとラプリエール
「あーあぁ、魔王討伐しても盗賊狩りとかなんだかんだで戦いばっかだなー。はー疲れたぁ。今日は覚悟忙しいってから1人だしたまにはちゃんと屋敷帰るかぁ…」
盗賊を討伐して汚れたまま気だるそうに屋敷へ向かう
勇者として働いたから一応側近に準ずるとか言って賜った屋敷は大きく立派な元貴族の屋敷で使用人も配置されてる。
王からだから敵か味方か知らないけど
あと多分姫いる
やっと来て暮らし始めて3日部屋から出てこないから知らないけど
「ただいまー」
「おかえりなさいませ」
執事が出迎える。食えない爺は多分王の回しもんだろう。だから名前忘れた
「婚礼の儀の準備についてのご相談ですが…衣装が…○○の順番ですが…」
あーもー。面倒くせぇ
そこへ、足音をさせない教育を受けた姫、ラプリエールがソッとやってきた
「どこへ行っていたのですか?アンドリダ」
「仕事。盗賊狩り」
「妻が3日もご飯も食べずに寝込んでいても心配もしないのですか!?今日は早かったですが毎日お酒を飲んで帰ってきて…」
元気じゃん…
「だからさ、大人しくしてたんだってー寝込んでたから」
「まぁ金も必要だしね。姫さんもなかなか金かかるし」
「なんですって!?」
「3日寝込んでいられるのが贅沢なんだよ。辺境にある村とか今度見に連れて行ってやろうか?」
ワナワナ震えてる
世間知らずだな…ほんと
「あ、今から
「行きません!準備もしていませんし!王宮なんて…」
「じゃあさ、婚礼準備していてよ。めんどくさ…」
「わたくしとの婚礼が面倒くさいとはなんです!わたくしは!国王の血を引くっ…」
泣き出した
「…はー。とりあえず王宮に行ってくる」
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ラプリエール
「いーだ!!魔王にやられちゃえば良かったのに!」
脳裏に蘇るのは王宮での日々
小さな頃から毎日叩かれ怒られながら、マナーや教養をしこまれ、うまくいかないと食事がなかったりした
すがれる人もなく、いつかきっと一番の栄誉だと聞いている勇者が迎えにきて助けだしてくれる
私を甘やかして幸せにしてくれると信じていた
勇者が出立したと聞いたある日、成績の良かった私たち三人が教育長先生に連れられて王宮の王の前に行った
挨拶もさせて貰えず横並びに直立させられる
王と呼ばれた人は家畜でも見る様にジロジロみながら
こいつが一番見目がいいから勇者用
これが2番目で貴族の○○に嫁がせろ
残りのこっちはあの国だな。あの国の事をしっかり教えておけ
残りはまた沙汰する
そう言った
丸で商品でもあるかの様に…
勇者に嫁げば幸せになれると思って頑張ってきたのに…
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