第15話 煽る禿

「炎熱だけはその操作をちょくちょく解いてくる

面白いだろ」

舞岡が紅茶を飲む。気持ちに全くの余裕があるわけではなさそうだ


「それで。どのくらい進んでいるのです?

炎熱が何度かイーリアーに相談に来ていたのはあなたの事ですね?私でお力になれるのなら…」

舞岡が少し困った顔をする

「うん…いいんだ。気持ちは通じたから。魔物化は彼女が死ぬまでに心が決まればで。

ありがとう。覚悟はまで宜しくね」


「承知した」

「今後も話は聞くけど説得はしないから」

というイーリアーにも

「あぁ。それでいいよ。ありがとう」

と言う


領地の取り合いなどもないからか穏やかな王だな

これじゃあ、どっちが危険で害悪なんだか…


「覚悟の魔物化については…」

「あ、炎熱には今ラインした」

「「はぁー!?」」

{魔物化した。イエーイ(スタンプ)お前とろくさいね)

という画面を見せる

すぐに舞岡のスマホが鳴った


「…迎えに行ってくる」


自分のラインにも着信があり見てみるとなんか怒ってるスタンプがいくつか

「怒る必要はあるまいに。報告と正しい見解じゃないか」


カタンに抱えられて瞬間移動してきた炎熱は室内に我々がいるのを見て恥ずかしがっている

「別に俺はお前とカタンがどんなに密着していても気にならない」

と言ってやったがなんか不機嫌だ。

「で、どんな感じなの?覚悟。」

「普通。目や耳は良くなった。歩く労力と飛ぶ労力は変わらない。ピュッと移動するのと尻尾で物を取れるのは楽だ。」

「覚悟に聞くのが間違えていた」

「一番の恩恵は身体特化かな。多少の刺激では死なないから、宇宙にも深海にも熔岩の中にもピュッと行けた」

「どこ行ってるのかと思ったら!!」

イーリアーがなんかちょっと怒ってる?なんで?

「安全じゃなかったらどうするの!」

「あーゴメン。でも便利だ。好きな相手と同じになるのも心地良い」

イーリアーが真っ赤になった。忙しい奴だな

「覚悟はきちんと考えて決めたら揺るぎないから。イーリアーさんも安心だしいいと思うよ。つるっぱげ悪魔コス似合っているし」


「でも、私はやっぱり嫌だと言わないためにも」

あ、舞岡さんがショック受けてる

「言わせないためにも」

言わない言わないって頭振りまくってんぞ

「この。舞い上がりを抑えてからにしたい。ゴメンね。丹田」

振り向いて笑うと、舞岡も眉を下げて笑う


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