第14話 魔王様への挨拶

五分後

禿頭に尖った耳、大きな翼に悪魔的尻尾の覚悟が鏡を見ている

「ふぅん。サッキュバスの肉片はサッキュバスになるの?イーリアーと同じだな。翼ちょっと大きいけど」

生物としての危機回避能力が全く働かないのね…

異常だわ。変人じゃなくて異常だわ

「あなたは、男性だからサッキュバスじゃなくてインキュバスね。総称して夢魔よ」

「へー。なんか強くなった感じがするなぁ。飛び方とか力の使い方とか人間化の方法を教えてくれ。あと王に挨拶しないとな!」


一通り説明すると覚悟は楽しそうに瞬間移動をしてはなんか持ってくる。返してきなさい


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魔王城

「へー。確かに魔王城だ。地下なのに上も敷地も広いなぁ……えっなにこれスマホの電波ばっちりでGPS働く。あーここの地下なんだ」

頭上からバサバサと羽ばたきが聞こえる

「オーイ。早かったな」

と飛んでくるのは魔王カタン(ティシャツと楽そうなズボン)

目の前に降りて

「…僧、円光寺 覚悟」

と呼ばれると一瞬だけピリっとしてつい身構えるが、敵意は無いようだ

「変な奴だと思っていたよ。まあ入って」

魔王城の扉が開く

「邪魔をする。土足でいいのか?前回も確認しようとしたのだが誰もいないしアンドリダと炎熱に引きずられて玉座まで行ってしまったのだ」

「玉座までは、いいよ。生活域では脱いで」


生活域の一室でお茶を出される

「で。どうなの?イーリアー、覚悟信用していいの?」

「うん…多分」

多分なのか

「信用していいのかな?」

今度は俺に聞いてくる

「はあ。多分。内容によるので。」

うん、多分だな。仕方ないな

イーリアーが呆れた顔をしている

「まぁいい。変わった奴なのはわかった。魔物化したからには仲間だ。宜しく頼むよ」

笑う魔王か…人の事を言えるのか…

「俺も、魔王カタンは少し変わっていると思っていました」

「ほう?」

「まるでアンドリダにキャッチボールを教える父親みたいでした。最後の方は炎熱しか見てなかったけど」

「よく見ているな。アンドリダとプリモは半魔だからな。ちょっとは面倒を見てやろうと思っていたんだ」

「半魔…」

「いつか魔の部分の消滅する不安定で小さなものだ」

「ではもう一つの方、炎熱は何故見ていた?ずっと実ったことはないカタンとイーリアーの恋

今回は炎熱か?今炎熱好きな人がいるみたいだが…魔物研究の…」

「魔王カタン、まうおか、たん…でん」

ね?と魔王が舞岡になる。

「先日王宮で見たぞ?」

「王宮の魔物研究所にいるからね…ってところでその辺りの操作を解除しようか

さて、君たちの出立前…凱旋直後にも魔物研究所なんて無かっただろう?入口も壁だから部屋あったらそこだけ王宮飛び出ているぞ?研究員も俺だけ。扉開けたら異次元俺ルーム」

!?本当だ!何故誰も気づかないんだ

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