第5話 にぶすぎる
「ふふ。覚悟がそんな話をしたか。大苦戦だな。
お前も」
「放っといてよ」
お互いうまくいかないなぁ
魔王が居なくなったら突然魔が居なくなった事に違和感がないのは俺の精神操作
魔王城とその付近に避難保護
前の場所がバレたのも偶然と俺のナレによる穴
討伐とかほんと面倒くさいから勘弁してよ
ずっと一人で何億年
たまに魔以外に仲間を求めるのは何なんだろうな…
魔同士で身体を重ねる事も試してみたけど
何と言うか…まるで兄弟みたいな違和感
炎熱さんはなんというか…なんか安心する
はー。買い物でもしてこよ。
炎熱さんってどんな匂いが好きかなぁ
ボディソープ変えようかなぁ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「格闘家だ」
「強そうだなぁ」
「魔王より強いとか最終兵器すぎる」
あー。またか。人を危険物みたいに。
道場でも遠巻きだし、飲み会も…見合いさえ
怖がられる(相手も格闘家)
私だって愛されたいのだ…贅沢は言わない
この際愛してくれる人なら…あとちょっと顔が良くて性格も良くて爽やかで頼れて知的で格闘家に理解があって…
…舞岡さんみたいな…
って舞岡さん!?いやいやいや…
ーでも唯一女の子として扱ってくれて嬉しかった
好きーなんて言ったら逃げてしまうんだろうな
プリモはアイドルみたいに追っかけられてサンダーで蹴散らせないか考えてたな…あれもやだな…
って舞岡さん…意識したら止まらないや…
「あれ?炎熱さん?」
え!?舞岡さん!?
「まっ…うおかさっ」
「こんな時間にお買い物ですか?」
「あーはい。ちょっと明日の買い出しで…」
「お一人で?…また徒歩で?」
「…車の運転が苦手で…
だ!大丈夫です!キングコングですから!」
舞岡さん返事がないな…呆れた?
あ、なんか怒ってる?
「…送ります。レジまでも一緒に行きます」
「え、でも…」
「送ります」
お店を出たけど、ずっと無言で並んで歩いてる
荷物、持てるって言ったけど持ちますって取られちゃった…
「あの…舞岡さん?怒ってますか?」
「怒っていませんよ」
「荷物持てます。力はあるので。」
「かっこくらいつけさせてください」
「…それに…私を襲うのは強盗目的くらいですから送らなくても」
「じゃあ、強盗対策に送ります。勝っても怪我をするかもしれない」
あぁ言えばこういう。にこやかなのに頑固だなぁ
しばらく沈黙が続く
「舞岡さん…いつもこんな風に紳士的なんですか…?もてそうですよね。あはは…あ、わ、私も女性にはモテるんですよー あはは…」
何言ってんだ私は…雄弁は銀沈黙は金だなぁ
「そんな聖人君子いませんよ。今は完全に下心だし…好きな人にはブロックされてるみたいで困ってますが?」
「えー…あーそう…ですか?」
なんかよくわからないな
「あーはは…通じてない」
なんか舞岡さんがボソリと呟いて、また沈黙になった
つまらない女だって思われてないかな…早く着かないかな…
にぶい。にぶすぎる。舞岡はただ無言で頭を抱えていた
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