奮闘と鈍感

第4話 気づく事が無理

あ、ライン来た 宜しくスタンプ…

【tanden.m】誰だ?

{誰?)知らない人からは検索不可のはずなんだけど…

{あ、魔物研究の…舞岡まうおか 丹田たんでんと申します)

丹田!?武術を心得るものは皆大好きな場所、丹田!!(偏見)

{なんて素晴らしい名前なんだ!つけた人最高だな!!)


名前をつけたのはもちろんカタン本人、まおうかたんをなんとなく有りそうな姓・舞岡って思いついて

タンが残ったのでなんとなく丹田にしたんだけど

して良かったぁあー!!

ありがとう!俺ぇえ!

って今、おお喜びでゴロゴロ転がっている

はー。ありがとう、はー。俺最高


さぁ。炎熱さんとの愛を育みに行こうか…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とある拳法道場


「こんにちは、入門したいと連絡したものですが」

「はい。お伺いしています。えっと…対応は…

師範代です」

記憶操作完璧

炎熱さんどこかなー


「こんにちは、入門希望の方ですか」

道着の炎熱が顔を出した

似合う。かわいい。勇者御一行として来たときも道着だったなぁ


「舞岡さん!?」

「聖拳を獲得に来ました」

ストーカー行為ではない!決してない!

広く門扉を開けている道場に強くなりに来たんだ!そうなんだ!

魔王強いじゃんとか言わないっ

記憶操作すんぞ!


借りた道着に着替えて道場へ出る

「では。今日は体験ですね。えーっと…」

「炎熱さんがついてくれるんですか?」

「え?係が…、係…私だったかな…?あれ?いや、違うな…○○…っ!?私が係か…」

おぉ…突然で手抜きとはいえ俺の記憶操作に抗うなんて炎熱さんやるなぁ

さすがだ。惚れるぅ


「では基本から。まず立ち方ですが…こう…そうそう。もう少し狭く。それから、こう両手で顎をガードしてから前へ。肘は伸ばしきらずにサッとガードへ戻す。左右でワン、ツー」

「オイオイ珍しいな炎熱。直接指導してんのか?知り合いか?」

なんだ?でかい男だな…

いや、あれ?炎熱と目元似てない?

「ここの責任者、師範の雷堂音速です」

お義父さぁぁぁああーん!!

「どうかな?楽しい?」

「はい!(お義父さん!)是非入門させてください(お義父さん!)」

「良かった。後で入門書を渡します」

炎熱が少し嬉しそうに笑う(俺も嬉しいっ)

「炎熱さん、蹴りも見せてください」

「…うーんじゃあ、魔王にヒットした踵落としです」

ゴッ 振り下ろす音がするくらいの踵落とし

あーいいーっ!これこれこれこれーっ

「さすが綺麗ですね」

「あぁ。型ですか?それはもう幼い時からやっているので」

はにかむ炎熱さんナイスです(心のサムズアップ)

「いえ…炎熱さんがです。型も綺麗だけどね」

目を見て笑ってみる

あ、照れた照れた

「お、お世辞言ってないでっやってみてくださいっ」

ほんとなんだけどなぁ

本当は心も操作できる。惚れさせる事もできる

でもそれじゃあ、俺の一人遊びでしかないから…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

何日か考えていたが、全くわからない。

しかし、なんとかしなければいけないのはわかる

そもそも何が目的なのか

勇者でもなく、こっちに来たのはなんなんだ

お前の修行も宗教の教えすらなんの意味もないと

嘲笑われているようだ


寺の中の一室。

サッキュバスを呼びつける

本堂の掃除をしていたという本人は、作業しやすい服に割烹着を着ている


ちなみに魔王城ではピチピチのものすごく短いワンピースを着ていた

空を飛んでいたから丸みえだった…


「魔王を倒してもあなたが在る事に疑問を抱くべきでした」

そう言うとサッキュバスは妖艶に笑う

「あら、無理よ」

「無理…?何故?」

質問してもただ、うふふと笑う

「うふふではなくて!」

思わず強く肩を掴むとそのまま抱きしめられる

「覚悟…ついに…?」

「違う!はなせ!そう簡単に女犯には走らないぞ!」

「あら。いいじゃないの」

「良くない!離れろ!去れ!!!」

強く振り払うと

「何よ…そっちが呼んだくせに」

と少し涙目で去っていった

…泣かせるつもりは無かったんだけどな…

しかし。無理とはなんだ

気づく事が無理とはなんぞ??

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