第3話 魔物研究第一人者
「明らかな、サッキュバスなのにな。アレ」
「うむ…ただあの格好では流石に…親も檀家もいるから人化させて大人しくさせて、知り合いの外国人って事にしてある。」
覚悟は少し考えこんで、やってきた飲み物をクルクル混ぜる
「寺の事を覚えてちゃんと働いて親もずっといればとか言う…ケド、サッキュバスなんだよなぁ…」
魔物なんだよなぁ…
「おや。勇者御一行様、お疲れ様です。あ、雷堂聖格闘家さん先日はどうも」
不意に声をかけてきたのは先日コンビニに居た人だ
「こちらこそ助かった、ありがとう」
そんな話をしていると、覚悟が鼻をひくひくさせる
「失礼。あなたから魔気がかおります」
真剣な顔だ
アンドリダが腰を浮かせる
まずいのか!?
「魔物研究をやっています」
柔らかな笑みだ。嘘は無さそうにみえる
プリモも安心した顔で
「あの、そもそも魔物ってなんなんですか?
魔王がいなくなったら見かけなくなりましたが」
と質問をする
そう言えば一切見かけなくなったな。
動力が魔石な物はどうするのだろうか…
「んーそうですね。簡単にいえば、人間をはじめとする動物が突き詰めればアミノ酸…元素になっていくのと同じ様に、魔物は魔石…魔素が元になっています」
「!だから、たまにやっつけた跡に魔石があるんですね」
そんな素直な反応が面白いのか、ふふ。っと笑って続ける
「そして、見かけなくなったが正しい。彼等もこの星の成分でできたこの星の住人。居なくなりはしない」
「ーっ何!?」
アンドリダと覚悟が同時に反応する
「そちらの僧侶の方、あなたこそ
覗きこまれる様に言われ一瞬目を大きくした覚悟は、すぐ冷静な顔に戻る
「把握している。…そうか、魔王が消えてもあれが存在しているということは、自動では消えないか」
「有機物は水等の例と同じ、元素が結合したもの。魔多乱は元素が火山の爆発などの刺激により融合したもの。有機物のそれは電気などで分解できますが、魔多乱は同じかそれ以上の刺激がないと分解できません」
「魔王の核魔多乱ほどのものを分解できる力を貴方方が出せたとは思えませんが?」
魔物研究者が不敵に笑う
「そこの格闘女、噴火以上だぞ。知らねぇけど」
「アンドリダぁあ?!」
「ふふ。じゃれないでください」
え?どうした?魔物研究。目が怖い
「あれは。そんな物じゃありません。ビッグバンの産物です」
「うっちゅっうっのっはっじっまっりっ
ビッグバン!!?」
「そうです。大魔で大インパクトくらいでしょうか」
動じないなぁ。魔物研究。やっぱいいなぁ
「新しい情報があればお伝えしますので、皆様と連絡先の交換をさせていただけませんか?」
そう言って全員と交換していく
「ひとつ、質問をよろしいか」
覚悟が、真剣な顔をする
「人間と魔物は全く別な生き物で、例えば交配などは起こるのか?」
「小動物では…雄の一角牙鼠と雌の鼠から雌の一角牙鼠がうまれた例があります。何か気になる事でも?お調べしましょうか?」
「いや、いい」
あー気にはなってんのかなぁ
サッキュバスだよね…
「おい。寿命はないのか?ビッグバンに大インパクトだと?」
少し焦った顔でアンドリダが言葉を挟む
「小魔や…もっと小さなものは10年もたない。小さな衝撃の産物だから大雷くらいで消えてしまう。
中魔で火山大噴火くらいかなぁ
産出は原子があって衝撃のある場所。消滅は衝撃の範囲内にいた時…寿命はないね
では、私はこれで…」
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魔物研究家サイド
サッキュバスのやつ、頑張ってんだな
魔物と生物で交配するのか、か。
有機物である生物の構成元素を融合させてやれば、魔物化だってできるよ
思いつかないものかなぁ
暇で暇で
137億年…生物も魔物も研究しつくしたさ!
シュバッ
瞬間見えなくなる
場所を変えて、地下にも移した我が居城へ帰還する
髪が伸びて目も魔物らしく、額には3つ目の縦の目が、頭には2本の角が、背中には服を透過して黒の羽も生える
「カタン様おかえりなさい」
「ただいま」
137億年…時々好きな相手もできる。
不思議といつも魔物じゃないから、魔物化だって交配だって調べたさ
まぁ、いつもふられるんだけどね
魔王だからね…
あー。炎熱の踵落としは良かったなぁ
あの美しいの黄金比な足は最高だった
萌え死ぬから消えて逃げたけど
はー好き
"僧侶ゲットに行ってくる。カタンも早くしなよ。
人間の一生は短いからね“
サッキュバスがそういうから人に化けて人間の記憶操作して王宮に研究所作らせたけどまだまだ道のりは遠いなぁ
頑張らなきゃ!全ては炎熱への愛のために!!
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