第2話 仲間たちと

みんなと会う待ち合わせってここよね?

みんな早く来ないかなぁ

格闘家だって「怖い」「強そう」等とヒソヒソされて視線が痛い


「えーんねちゃーん」

向こうからフワフワ髪で背は低いのにお胸が大きな魔法使いが走ってくる

「プリモー」

プリモにも視線が分散される

ヒソヒソ聞こえるのは「かわいい」だけど…


その後ろからゆったりとつるっぱげが歩いてくる

僧侶の覚悟だ

「炎熱がいるとわかりやすい」

「どういう意味」

「そのまま、視線を集めているの意味だが…アンドリダは?」

「勇者遅刻」

その時、勇者のスキルでめちゃくちゃ速度をあげてアンドリダ《ばか》が走り込んでくる

「ーっギリ!セーフだろ!?」

覚悟がスマホを確認する

「アンドリダ、3分遅刻だ」

「覚悟、こまっけーぇのー」

適当に聞き流しながらこっちに目を向ける

こっち見んな面倒くさい

「おー!炎熱ぇ。俺の友達が、見たいってうるせえんだけどさあ今度」

「行かない」

「ちっ、んだよ。ケチゴリラ」

「倒した魔王に挨拶してこい(死ね)アンドリダぁあ!」

火拳!!

「火拳か!ウォーターブロック!!」

「そんなもの!通すっっ」

ドバシャーッゴン!!

「いってぇー!俺じゃなかったら死んでるぞ!」

「お前以外にやる必要がない」

まだ噛み付こうとするアンドリダを無視して

「今日どこいくの?」

「アンドリダが決めてたけど」

「ねー。アンドリダどこいくの?」

ふんわり聞くプリモに

「知り合いのカフェ。ねー治癒ってー血が出たー」

って小指を見せる

「やだ。マジックポイントの無駄」

軽くあしらわれた


「アンドリダ、そんな感じのままで姫とうまくやっていけるのか?」

心底心配である

「ま。なんとかなるっしょ」

相変わらずだな

周りもザワザワしているぞ。さすがにまずくないか?

「アンドリダ、勇者だろ。イメージは大切だよ」

「なんで?俺は俺だろ。馬鹿らしい」

サラッと言う

「イメージより、俺は俺が大事。イメージ違うから俺が勇者じゃ嫌だってんなら今すぐ降りる

次何か出てきても知るもんか」

それでいいのかと思っていると

「うん。私も私でいたいな」

とプリモが同意し

「そこは、アンドリダに同意する」

と覚悟も頷く

「お前も世間の口なんか放っておけ。いー男見つかったか?」

「あー…いい事言ってもそーゆー余計な1言が要らないんだよアンドリダは。残念勇者め

いー男どころかどこ行ってもキングコング扱いだよ。道場でも手合わせの相手がいない。魔法まとわせないのに」

諦め顔で愚痴るとアンドリダが目を細めて、仕方ないなって顔で笑う

こいつ喋らないでいたらイケメンなんだよなー…

「お前の良さがわかんないなんてホント馬鹿ばっり」

え!?な!?は!?

意外すぎて反応が遅れる

「ま、お前も夢みたいな事ばっかり言ってないで現実の男見るべきだけどな」

「炎熱はもっと自信を持て」

覚悟もそんな事をいう

「まぁ炎熱のアレは逃げだけどな。逃げるのは戦士の恥だぞ」

覚悟厳しい

「覚悟、おばあちゃんがいつも歯には着物を着せていなさいって」

プリモはなんかズレてる

「歯に衣着せぬってか。気をつけよう」

「俺、姫を娶らせるって話なかったらいってるけどな」

アンドリダは顔はいいんだからそういうのぶっこんでくるな!!


「歯に着物は着せないけど、優しいよね。覚悟は」

プリモが覚悟を振り向いていう

「で、あれにも好かれちゃったかー。」

「ってかどうすんの?あれ。とりつくとかでもなく純粋な好意に見えるけどこたえないの?」

いい機会なので気になっていた事を聞いてみる

「…それで応えたら取り殺されたらどうする?」

「あらー。騙されたなぁってなる」

ワイワイやってるとカフェに着いた

扉を開けながらアンドリダが振り向いて

「半端なんだよ。拒否も退治もできなくて。ついて来させたまま家にいるんだろ?ってか寺平気なの?アレ」

と、少し真剣に聞く

「寺はー平気みたいだ。」

「不思議だなー」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る