勇者御一行、もういないからな!!

@den8

魔王討伐とやってくる日常

第1話 平穏な生活とは…

勇者   アンドリダ テリュー ♂

僧侶   円光寺えんこうじ覚悟かくご

魔法使い プリモ ソファレ ♀

格闘家  雷堂らいどう 炎熱えんね ♀


勇者御一行が世界をおびやかす魔王を倒したニュースは人類をわかせた


最後は格闘家の蹴りだったという


華々しい凱旋パレード

勇者と姫の結婚

勇者御一行輩出の国は毎日お祭り騒ぎだった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1ヶ月後 女格闘家

「取材だなんだも落ち着いたな

明日から道場にも出るし、どれ久しぶりにコンビニでも行くか」


ん?入口付近の雑誌に顔出てる

女格闘家 聖なる右踵!!

ほほう。いいな。道場の宣伝になりそうだ買っていこう。


「オイ、アレ」

「おぉ、聖なる格闘家、雷堂炎熱」

お、噂をしているな!

サインでもあげようか?

くるりと振り向くと

「ぎゃー!聞こえた!ごめんなさい」

と数人の青年が走り去る

「ふんっ」


雷堂炎熱19歳 絶賛彼氏募集中

贅沢は言わない、優しくてかっこよくてこんな私を愛してくれて爽やかで知的で頼れるキラキラした王子みたいな人なら誰でもいい


とりあえずそそくさと買い物をすませる

スマホで支払いをしていると勇者グループに1ヶ月ぶりに会おうとラインが来ている

みんな元気かなぁ


ドンッ

ラインを見ながら歩いていたので入口付近に座っていた人にぶつかってしまった

「あ、ごめんなさ」

「ってぇな!」

「当たってんなよ」

酷い言い草だ。

「なんだと?こんな所に座っているお前たちには非はないのか」

つい睨む

「ひ!?うわ、あれだこいつ魔王殺した女だ」

「うわぁっスミマセンでしたぁあ」

またか…私が何をしたというんだ…一方的に怖がらないで欲しい


「おい。」

ふいにコンビニの中から声がする

「失礼だろ!世界を守った人だぞ!しかも女の子だぞ」

え。女の子扱いされた。嬉しい。ぽっ

「散れっ」

「はーい。さーせんっしたー」

座っていた人達が去る


「大丈夫?…良かったら広い通りまで送りますが?」

え?誰に?え?わ、ワシ!?私っ女の子扱いされてる!?

「あ…いえっそのっすぐ、すぐそこなのでっ

ありがとうございます」

慌てて断ると

爽やかにニッコリと微笑んで

「そう?気をつけて」

と言ってくれる

ひー。爽やかな人の笑顔破壊力あるーっアンドリダの剣くらいあるー


その爽やかな人が帰っていく後ろ姿をずっと見つめて、ふうん。やっぱりかわいい。

と呟いていたのを慌てて帰っている炎熱は気づかなかった



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