変わらないもの

変わらないもの

ねえ、君は『変わらないもの』ってなんだと思う？

あなたの目の前にある、スマホやパソコン、タブレットだって傷がつき、いつかは壊れてしまう。

あなたが今見ている世界だって、きっと数年後には全く違う世界に見えるはず。

あなたの周りにいる人も、建物も、自然も、常日頃変わっている。

　変わらないもの。

じゃあ、一緒に売られていた同じメーカーで新品のボールペンは？

確かに量産されているのだから見た目も形も似ているかもしれない。

でも、原子レベルの細かさで見たとき。ボールペンに使われている炭素原子だって全く同じっていうわけではない。中性子の数が違ったり、電子の数も変わったりするぐらいなんだから。

じゃあ、愛じゃない？

よくある綺麗なお話にはそう描かれているよね。でも実際、前まで好きだったものが嫌いになったり、逆に嫌いだったものが好きになったりすることもある。多分誰しも一回は経験してるはず。

　この、永遠だと錯覚してしまう私たちの感情も、聞こえる音も、見える色も、地球も空も、私たちがいる世界は何かしら変わっている。

そうやって考えたとき、一つだけ、変わらないものがあると思う。

「過去」

あなたがこの文章を読んでくれたという過去はいつになっても変わらない。友達や家族と喧嘩したり、先生や上司に怒られた過去も変わらない。あの残酷な争いの歴史も変わらない。歴史の授業で習うことが変わるのは、曖昧だった過去の出来事がはっきりとわかるようになっただけ。過去にあった出来事自体は、どう頑張っても変わらない。記憶が薄れて、その過去を忘れてしまうことはあると思う。曖昧な記憶の中で誤った過去が伝えられることもあると思う。でも、過去は変わらない。

私たちが永遠だと錯覚しているものは、必ずいつか消えていく。

だからこそ

思い出のある過去を、大切に。

目まぐるしく変化する今を、大切に。

前へ。前へ。