陰キャだけどざまぁの後にモテる生活が待っている。

第7話 学園祭当日

　学園祭当日、学校は早朝から生徒や保護者で賑わい、活気に満ちていた。各クラスや部活動が準備したイベントが一斉に始まり、校内は華やかな雰囲気に包まれている。校庭では屋台が立ち並び、廊下には生徒たちが作った装飾やポスターが色鮮やかに飾られていた。そんな中、悠真は静かに自分のクラスの教室に向かって歩いていた。

「ついに、この日が来たか……」

　悠真は、胸の中で高鳴る期待を抑えきれなかった。今日こそ、三浦亮太を転落させる日だ。彼の計画は完璧に進行しており、三浦が舞台上で滑稽な姿を晒す瞬間がもうすぐ訪れる。その瞬間を思い描きながら、悠真は教室に入った。

　教室はすでにクラスメイトたちで賑わっており、特に三浦亮太の周りには、女子生徒たちが集まっていた。

「三浦くん、今日の舞台楽しみにしてるよ！ 絶対カッコいいだろうな！」

「亮太くん、絶対に成功するよね！」

　三浦はその言葉に自信たっぷりの笑みを浮かべ、余裕のある態度で応えていた。彼の背筋はピンと伸び、まるで今日の成功を確信しているかのようだ。悠真はその姿を見ながら、心の中で冷ややかに笑った。三浦は、今日の自分の失敗を夢にも思っていない。だが、それがまもなく現実になるのだ。

　そして、ついにクラスの演劇が始まった。舞台はすでに準備され、観客席には生徒や保護者たちが続々と集まっている。学校全体が注目する中、三浦亮太が舞台に登場した。彼は主役として堂々とした立ち振る舞いで、観客たちの視線を一身に集めている。その姿はまるで、自分が勝利を確信しているかのように見えた。

「俺が主役だ……みんな、俺に注目してるんだ」

　三浦はそう感じながら、演技を始めた。最初は順調に進んでいた。台詞を滞りなくこなし、動きもスムーズだ。観客たちも彼の演技に引き込まれているように見えた。だが、悠真は冷静にその様子を見守っていた。彼が仕掛けた罠が発動する瞬間を、ただじっと待っていた。

　そして、ついにその時が訪れた。三浦がクライマックスに差し掛かるシーンで、書き換えられた台詞を口にする瞬間がやってきた。彼は何も疑わずにその台詞を口にしたが、次の瞬間、観客席からクスクスと笑い声が漏れ始めた。

「……なんだ？」

　三浦は一瞬、状況が理解できずに戸惑った。観客たちは笑っている。自分が真剣に演じているのに、なぜか笑い声が広がっているのだ。彼はさらに台詞を続けようとしたが、笑い声はどんどん大きくなっていった。

「な、なんで……？」

　三浦は完全にパニックに陥った。自分が口にしている言葉が滑稽であることに気づくのに時間はかからなかった。彼が何を言っているのか、周囲は全て馬鹿にしている。観客席は笑いに包まれ、三浦は完全にその場で固まってしまった。