第6話 恋する乙女はつよいみたい

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「おはよー、おにーさん」


「たはは、ハツミちゃん。消えなかったや」


「本気で消えちゃうと思ってたんだけど」


「おにーさんにぎゅーってしちゃったじゃん?耳キスとか失礼しちゃったじゃん?」


「それでおにーさんドキドキしちゃって、そのぉ……」


「そのドキドキが精気を吸い取るってコトになっちゃったみたい」


「あのぅ、そのぉ……」


「お、おにーさん何ともない?」


「え、あ……あー、ごめん。おにーさんのシャツぶかぶかだから」


「こんなのでお腹の上にのっかって接近したら余計ドキドキしちゃうよね」


「危ない危ない。お布団もぐったから安心して!」


「でー、ですねぇ……おにーさん、大丈夫そ?」


「むしろ、よく眠れたんだ……はぁー、良かったぁ、マジで良かったぁ」


「あー……えっとぉ、じゃあ、余計になんだけどぉ」


「これはハツミちゃんからの提案なんですけどぉ……」


「もし、嫌じゃなかったらぎゅーって毎日してもいい?」


「えっとえっとぉ、歌も歌ってあげるからっ」


「あれなら耳かきもサービスするよぉ」


「なんか押し売りみたいって……たはは、確かにそうかも」


「ぜんっぜん幽霊っぽくないね、ごめんね」


「でも、残れるって分かったらしたいじゃん」


「幸せだし、好きな人と一緒に眠れるのってハツミちゃん的には幸せなんですけど」


「ねぇ、おにーさん」


「ぎゅーってしていい?」


「たは、ありがと」


「ぎゅーっ」


「ぎゅーぅっ」


「ぎゅぎゅぎゅーぅっ」


「はぁ、はぁ、思わず強めに抱きついちゃった」


「夢じゃないんだ……本当に……ここに、居るんだなぁ……アタシ」


「おにーさんの隣に居るんだぁ……たはは」


「ねぇ、おにーさん。ドキドキすごいね。鼓動がすごい、伝わってくる」


「これはまた精気?吸い取っちゃったかもですねぇ~、にししし」


「わるぅーい女っていうか幽霊に捕まっちゃったね」


「まぁ、おにーさんが嫌じゃなければなんですけど」


「思い出作りでいいからさ」


「一緒に居させて」


「うつが治らなくても、治っても、どっちでもいい」


「おにーさんと一緒に居たい」


「おにーさんに生きてて欲しいし、生きてることを褒めたい」


「だって好きな人が生き続けてるってすごくない?尊いじゃん」


「それにさ、話したでしょ」


「もうハツミは」


「後悔しないって決めたんだ!たははっ!」

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