第10話嗚呼弁当屋

 私は東京に居た時弁当屋で働いていた時がある。

 東京で一番のチェーンと言えば名前を出さなくても通じるだろうか。

 そこでの悲喜交交ひきこもごもを書いてみようと思う。


 まず初めに一言。例外は有るのだろうが、主に働いている人種は「主婦層」であり、主婦層の為の主婦層による主婦層の仕事環境にある。

 主婦層だと「同胞」と言う事で優遇される傾向にある。例えばシフトを組むにしても、主婦層は朝の仕事から昼の仕事に入りやすい。

 家庭を持っているからと言うのが第一に挙げられるが、その時間帯だと昼のピーク以外は比較的安定しておりアイドルタイムもある。

 それにより深夜料金になるよりも身体が楽であり人数も三人居たりと余裕もある。

 では学生やフリーターはというと、最も「不味い」のは17-22時の夕方勤務である。そこは絶妙に夕食時であり「ほぼ全部ピークタイム」である。であるのに二人しか配置されず、深夜料金もつかない。

 更にピークタイムであるにも関わらず「信用が薄い」人々があてがわれる。学生さんやフリーターである。

 学生さんは勉学が入ると無断欠勤もする。フリーターも責任感が薄く、美味くない時間になると無断欠勤する。

 私は二年間であるがその「不味い」ポジションにあてがわれていた。

 更に私は勉学と生活を賭けて働いていたので「飛び」はしない。そこを主婦店長に付け入られ振り回された。


 もう職務の半分がピンでの仕事なのだ。学生さんが飛び、フリーターが飛び、ヘルプを本部に訴えても「余剰戦力無し」としてピンでピークタイムを迎える。

 仕事は多岐に渡る。惣菜を追加で作ったり、メインのお弁当製作、電話応対、レジ打ち、調理、深夜に引き継ぐ為の仕込み…これを一人でこなすのだ。身体一つじゃ足りない足りない。

 更に22-06時の深夜帯がある。フリーターは深夜料金になるし二人勤務になる深夜帯に入りたがる。

 だが「よく飛ぶ」のだ。飛んだ場合が最悪で、夕方勤務の私が「帰れなく」なるのだ。

 24時間開店の弁当屋。誰が欠けても回らないのだが、部長クラスのお偉い社員様ともなると私が一人で働いている中でも休憩室で仮眠、もしくは弁当の摘み食い、果てはゲームをして私を無視する。いや、「お客様」をも無視する。


 よくピンで働いていると常連のお客様に「あの人は働かないの?」とお偉い社員様を指差しされる事もある。だが頑なに働かない。

 社員でさえない私の発言など「黙れ」で終わりなのだ。

 それは深夜帯にもずれ込み、帰らせてもらえず、しまいには「稼げて良かったな」等と言われる。

 だが稼げないときもあるのだ。


 タイムカードの「不正」である。

 深夜帯のフリーターが行った不正である。

 先ずバディに先に出勤させる。そして自分の分のタイムカードを押させるのだ。

 実際には私と深夜帯の一人勤務の二人勤務なのだが、タイムカード上だと深夜帯二人に「余分な」夕方勤務の私となる。

 そうするとデータ上でしか判断しない主婦店長が私の労働時間を削るのだ。

 


 はっきり申し上げる。あの弁当屋は腐っている。

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